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ジュニアライター発信

基町小の「おりづる集会」 孤児施設テーマに演劇

 基町小(広島市中区)は毎年夏に、児童が平和を語(かた)り継(つ)いでいくための取り組みとして、「おりづる集会」を開いています。

 2012年は、原爆孤児(こじ)や、フィリピンなどから引(ひ)き揚(あ)げてきた孤児たちの施設(しせつ)「広島新生学園」(東広島市)をテーマにした劇(げき)を演じました。施設はかつて、小学校に近い中区基町にありました。

 劇は、施設をつくった故上栗頼登(かみくり・よりと)さんが、子どもたちに向き合う姿(すがた)を描(えが)き、4~6年の14人が、全校児童の前で披露(ひろう)しました。今も、引き取り手のない孤児の遺骨(いこつ)が、残されているそうです。

 二宮孝司(にのみや・たかし)校長(50)は「子どもたちは、上栗さんの生き方を知って心が揺(ゆ)さぶられたようだ。平和を実現するためには、命の大切さを自分のこととして捉(とら)えることが必要だ」と話しています。

 また同校の児童は、「はだしのゲン」で知られる漫画(まんが)家で、昨年12月に亡(な)くなった中沢啓治(なかざわ・けいじ)さんとの交流を続けてきました。3月19日の卒業式では、中沢さんから学んだ「麦のように強くなれ」という言葉を児童が発表しました。6月には、「はだしのゲン」の連載(れんさい)開始40周年を記念した行事を開く予定です。(中2・松尾敢太郞)

(2013年4月8日朝刊掲載)

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