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ジュニアライター発信

子ども・みらい・ヒロシマ 被災地からの滞在支援

 被爆地広島だからこそ、福島第1原発事故の影響(えいきょう)を受けている人たちのために何かしようと、「子ども・みらい・ヒロシマ」(広島市西区)は2011年12月に発足し、広島でのショートステイ事業を始めました。移住の手助けもしています。

 ショートステイの対象は、子どもがいるか、妊娠した人がいて、被曝(ひばく)による健康不安を抱(かか)えている家族。インターネットで募集(ぼしゅう)しています。

 滞在(たいざい)期間は、冬休みや夏休み中などに1週間から20日間ほど。宮島(廿日市市)や平和記念公園(広島市中区)を巡って、子どもたちには放射線を気にせずに外で過ごしてもらいます。これまでに6回、計14家族が参加しました。うち5家族は広島、岡山県内に移住しました。

 主なメンバーは大学の先生や学生たち6人。ショートステイの受け入れ準備や滞在中の対応など、ボランティアの学生も参加しています。空いているマンションやホテルも無償(むしょう)で提供してもらっています。

 初回のショートステイに参加したのがきっかけで、福島県いわき市から子ども3人と広島市安佐南区に転居してきた新妻有紀美(にいづま・ゆきみ)さん(38)。「広島の人は放射線の知識があって、子どもがいじめられることがない。自分も最近、おしゃれをしようという余裕がやっと出てきた」と話します。

 代表の広島修道大教授の金杉(かなすぎ)恭子さん(65)は「中高生も広島で被災者支援ができる。この活動を知って参加してほしい」と願います。(高3・坂田弥優)

(2013年4月16日朝刊掲載)

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