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ジュニアライター発信

広島の世界遺産をきれいにする会 平和願いトイレ清掃

 市民グループ「広島の世界遺産(いさん)をきれいにする会」(広島県府中町)は、8月6日の原爆の日を前に、世界遺産の原爆ドーム(広島市中区)がある平和記念公園のトイレを掃除(そうじ)しています。

 2回目の今年は7月27日に行いました。メンバー15人と、呼(よ)び掛(か)けに応じた山陽高(西区)の生徒60人が約1時間半かけて、トイレ5カ所を素手で掃除。トイレの屋根の上には落ち葉がたまり、空(あ)き缶(かん)が捨(す)てられていたそうです。

 参加した山陽高1年の村井芽衣(めい)さん(16)は「被爆して亡(な)くなった人の遺族(いぞく)や世界中の人が訪(おとず)れる場所。少しでも気持ちよくトイレを使ってほしいと思い、頑張(がんば)った」と話していました。

 このほか、宮島(廿日市市)のトイレ掃除も毎年夏にしています。中国新聞に「宮島の公衆(こうしゅう)トイレが汚(きたな)い」と投稿(とうこう)があったのを、メンバーの一人が読んだのがきっかけで、2009年に会を結成しました。現在、会社員や公務員をはじめ、広島市と近郊(きんこう)の約20人が活動しています。

 代表の小林常光さん(64)=府中町=は「トイレがきれいだと、掃除した人も利用する人も心が洗(あら)われる。心が穏(おだ)やかになれば、争いが減り、平和につながるのではないか」と強調していました。(高2・井口優香、小6・藤井志穂)

(2013年9月2日朝刊掲載)

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