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ジュニアライター発信

手話サークルゆびの輪 慰霊碑・建物 調べ紹介

 手話サークル「ゆびの輪」(広島市東区)は、中区の平和記念公園にある慰霊碑(いれいひ)や建物を手話で解説できるよう、練習に取り組んでいます。

 7月27日には、広島県手話サークル連絡(れんらく)協議会広島ブロックが、平和記念公園で開いた平和学習会で練習の成果を披露(ひろう)しました。広島市や近郊(きんこう)の四つの手話サークルのメンバーら約60人が参加していました。

 ゆびの輪は、被爆建物のレストハウスについて事前に調べた内容を基に手話で紹介(しょうかい)しました。原爆投下時、レストハウスの地下にいて助かった男性の体験を説明。「被爆の記憶を後世に伝える貴重な遺産(いさん)として大切に保存(ほぞん)しないといけない」と呼(よ)び掛(か)けました。

 ゆびの輪は1995年に発足。メンバーは今、耳の聞こえない人を含(ふく)め約30人います。公民館や地域(ちいき)の行事でボランティア通訳(つうやく)などもしています。

 一般(いっぱん)の人向けには、平和記念公園の案内はしていません。しかし、「被爆地広島のことをもっと知り、平和について考えたい」との思いから、98年から公園や周辺の慰霊碑について手話で伝えられるよう、練習を続けているのです。

 代表の木村智恵美(ちえみ)さん(54)=東区=は「被爆体験を風化させてはいけない。少しでも多くの人に原爆の悲惨(ひさん)さや復興した広島について伝えることが平和への一歩になる」と話していました。(中2・見崎麻梨菜)

(2013年9月16日朝刊掲載)

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