×

ジュニアライター発信

ジュニアライターこの一作 「絵で読む広島の原爆」(文・那須正幹 絵・西村繁男) 詳細な描写 怖さ実感

 原爆の恐ろしさがとてもよく分かる本だと思います。被爆(ひばく)前の広島の町の平和な様子から被爆後の惨状(さんじょう)まで、絵や解説で詳(くわ)しく紹介しています。

 特に絵は、左右のページを使って大きく描(か)いていて、細かいところまでよく理解でき、原爆の威力(いりょく)がどんなにすさまじかったか実感できました。被爆後10年たっても、工事現場から骨が当たり前のように見つかっていたことや、生き残った人々も放射線によって長い間体をむしばまれてきたことなどの事実に衝撃(しょうげき)を受けました。

 日本の戦争突入や米国による原爆開発の経緯(けいい)なども丁寧(ていねい)に解説しています。これから成長して社会へ出ていくには、政治から科学まで幅広く勉強しなくてはならないと感じました。

 作者は、被爆を過去のこととして済ますのではなく、しっかり伝えていこうと考えているのだと思います。被爆者が少なくなってきている今、現代の子どもたちは、戦争や平和についてもっと関心を持つべきです。僕自身もこれから、核兵器が一日も早くなくなるよう訴えていきたいと、あらためて思いました。(中2・岡田輝海)

(2014年8月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ