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ジュニアライター発信

[ジュニアライターこの一作] 「パンプキン! 模擬原爆の夏」(令丈ヒロ子・作 宮尾和孝・絵) 宗教や文化 違い尊重

 「パンプキン爆弾」。何のことか分かりますか。僕はこの本で知りました。長崎(ながさき)に投下された原爆と同じ形ですが、核(かく)物質は入っていない爆弾です。「模擬(もぎ)原爆」とも呼ばれます。

 米軍は「本番」に備えて日本の30都市に49発も投下し、約400人の死者と約1200人の負傷者を出しました。終戦の前日まで続きました。戦争が長引いていたら、もっとたくさんの人が「練習」のために殺されていたかもしれないのです。

 この本では、女の子が、かつて近所に落とされた模擬原爆について友だちの男の子と一緒(いっしょ)に調べます。自分の地域も戦争と原爆に関係があったと知り、驚(おどろ)きます。

 特に印象的なのは、2人が長崎チャンポンを食べるシーンです。肉や魚介類、野菜などいくつもの材料が混ざっているチャンポンは多文化を表しています。言葉の違(ちが)う国の人ともあいさつし、互いの宗教や文化を尊重しよう。そうすれば世界に平和が早く訪れる、と言われた気持ちになりました。

 この本を読んで長崎に行きました。原爆資料館で原爆の模型を見ながら、奪(うば)われた命について考えました。戦争は絶対に繰(く)り返(かえ)してはなりません。(小6植田耕太)

(2015年10月12日朝刊掲載)

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