[ジュニアライターこの一作] 「INORI―いのり―」(綾野まさる著) 少女の強い心に驚き
15年8月24日
この本の主人公は、佐々木禎子(さだこ)さんです。平和記念公園(広島市中区)にある「原爆の子の像」のモデルになった人。原爆が原因の病気で、わずか12歳で亡くなりました。そんな少女の、短い一生の物語です。
6年生の冬、禎子さんは突然(とつぜん)、病気になりました。つらい入院生活。そんな中でも常に明るく振(ふ)る舞(ま)う精神力には驚(おどろ)かされました。とても私がまねできるものではありません。
人前ではあまり弱音を吐(は)かないけれど、その心は苦痛であふれていたはずです。こんな毎日はつらすぎると思いながら、ページをめくりました。
禎子さんの強い心が表れている場面は何度もありました。死の間際でも、欲しがったのがお茶漬(ちゃづ)けだった、というところが特に印象に残ります。最期まで家族に負担を掛けまいと気遣(きづか)う、心の優しさを感じました。
広島の子どもたちの呼び掛けで、禎子さんの像ができました。亡くなって3年後でした。禎子さんは、像になり、私や人々の心の中で、平和の大切さを永遠に訴え続けています。(中1目黒美貴)
(2015年8月24日朝刊掲載)
6年生の冬、禎子さんは突然(とつぜん)、病気になりました。つらい入院生活。そんな中でも常に明るく振(ふ)る舞(ま)う精神力には驚(おどろ)かされました。とても私がまねできるものではありません。
人前ではあまり弱音を吐(は)かないけれど、その心は苦痛であふれていたはずです。こんな毎日はつらすぎると思いながら、ページをめくりました。
禎子さんの強い心が表れている場面は何度もありました。死の間際でも、欲しがったのがお茶漬(ちゃづ)けだった、というところが特に印象に残ります。最期まで家族に負担を掛けまいと気遣(きづか)う、心の優しさを感じました。
広島の子どもたちの呼び掛けで、禎子さんの像ができました。亡くなって3年後でした。禎子さんは、像になり、私や人々の心の中で、平和の大切さを永遠に訴え続けています。(中1目黒美貴)
(2015年8月24日朝刊掲載)