[ジュニアライターこの一作] 「さとうきび畑の唄」(遊川和彦著) 戦争 悲しみ生むだけ
15年6月29日
歌手森山良子さんが歌う「さとうきび畑」を基にしたテレビドラマを小説にした本です。沖縄(おきなわ)の小学生、平山春子の一家は、写真館を営み平和に暮らしていましたが、いや応なしに戦争に巻(ま)き込(こ)まれていきます。家族がばらばらになる日、父はみんなに言いました。「何があっても生きぬいて下さい」。人間にとって最も大切な言葉だと思いました。
私は昨年、沖縄への修学旅行でガマと呼ばれる鍾乳洞(しょうにゅうどう)へ初めて入りました。中は真っ暗で懐中(かいちゅう)電灯を片手に進みました。この作品にも壕(ごう)の中で息をひそめる場面があり、実感をもって読むことができました。
本来守ってくれるはずの軍隊に壕から追い出されたり、負傷した敵兵を殺せなかった父が日本軍に殺されたりと残酷(ざんこく)な場面の連続。戦争は多くの悲しみと憎(にく)しみを生むだけだとあらためて確信しました。
父の遺品のカメラには、みんなの笑顔が写っていました。全ての人が笑顔で暮らせる世界を築くために、私はもっといろいろなことを学ばなくてはと教えられた一作です。(高3了戒友梨)
(2015年6月29日朝刊掲載)
私は昨年、沖縄への修学旅行でガマと呼ばれる鍾乳洞(しょうにゅうどう)へ初めて入りました。中は真っ暗で懐中(かいちゅう)電灯を片手に進みました。この作品にも壕(ごう)の中で息をひそめる場面があり、実感をもって読むことができました。
本来守ってくれるはずの軍隊に壕から追い出されたり、負傷した敵兵を殺せなかった父が日本軍に殺されたりと残酷(ざんこく)な場面の連続。戦争は多くの悲しみと憎(にく)しみを生むだけだとあらためて確信しました。
父の遺品のカメラには、みんなの笑顔が写っていました。全ての人が笑顔で暮らせる世界を築くために、私はもっといろいろなことを学ばなくてはと教えられた一作です。(高3了戒友梨)
(2015年6月29日朝刊掲載)