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ジュニアライター発信

[ジュニアライターこの一作] 「わたしのヒロシマ」(森本順子著) 当たり前の幸せ 実感

 この絵本は筆者、森本順子さんの体験が、日本語と英語でとてもリアルに書かれています。森本さんは広島で家族と花火を見たり友達と遊んだりと、楽しい日常を送っていました。小学校4年の時、大きな戦争が始まりました。そして、原爆投下―。

 彼女はその日たまたま腹痛で学校を休んでいたので生き延びることができました。家族もボロボロになりながら全員無事でした。しかし、何げない日常も美しい広島の町も、たった一つの核兵器(かくへいき)によって破壊(はかい)されてしまいました。

 被爆時、森本さんは私と同じ高校2年だっただけに、私たちが今、当たり前に生活できているのは幸せなことだとあらためて実感しました。

 一方で、当時の人々の苦しみや悲しみを本当に理解するのは、いくら本を読んでも映像を見ても難しいと感じました。でも、再び戦争を起こさないために、事実を伝えていくことはできます。だから、私はこの本を日本の人だけでなく世界の平和を望む多くの人々に読んでほしいです。(高2福嶋華奈)

(2015年4月6日朝刊掲載)

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