[ジュニアライターこの一作] 「ライフ・イズ・ビューティフル」(1998年、イタリア映画) 差別の怖さと親子愛
15年3月30日
ユダヤ系イタリア人のグイドは、結婚(けっこん)して男の子に恵まれます。しかし、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害(はくがい)という時代の波にのまれ、息子の5歳の誕生日に妻子とともに強制収容所に送られます。そのとき彼は、持ち前の明るい性格で現実を「ゲームだ」と息子に信じ込ませるのです。
過酷(かこく)な労働を強(し)いられ、働けない者は殺される―。そんな絶望的な状況(じょうきょう)の中での機転(きてん)でした。彼のうそは息子に、生きることへの希望を与えました。自分もいつ死ぬか分からない状況でも前を向いて生きていく姿は、まねできないです。
最後に彼のうそは真実に変わりました。こんなうそもあるのか―。うそをつき通した姿に、息子への深い愛情を感じ、その印象は映画の題名と重なった気がしました。
この作品で強く描かれているのは差別の怖(こわ)さです。僕も、身近なところで差別が起きていないか、また自分が加害者になっていないか、ときどき立ち止まって意識したいと思いました。(高1林航平)
(2015年3月30日朝刊掲載)
過酷(かこく)な労働を強(し)いられ、働けない者は殺される―。そんな絶望的な状況(じょうきょう)の中での機転(きてん)でした。彼のうそは息子に、生きることへの希望を与えました。自分もいつ死ぬか分からない状況でも前を向いて生きていく姿は、まねできないです。
最後に彼のうそは真実に変わりました。こんなうそもあるのか―。うそをつき通した姿に、息子への深い愛情を感じ、その印象は映画の題名と重なった気がしました。
この作品で強く描かれているのは差別の怖(こわ)さです。僕も、身近なところで差別が起きていないか、また自分が加害者になっていないか、ときどき立ち止まって意識したいと思いました。(高1林航平)
(2015年3月30日朝刊掲載)