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ジュニアライター発信

ジュニアライター発 与えられた命 誰かのため 103歳日野原さん講演

 聖路加国際大(東京)名誉理事長で聖路加国際病院前理事長の日野原重明さんによる103歳記念講演会(新老人の会広島支部主催)が、広島市中区のアステールプラザでありました。日野原さんはまだまだ元気で、壇上(だんじょう)でつえをくるくる回したり、ポーズを決めたりしながら、1100人を前に話しました。

 日野原さんは「自分の命は与(あた)えられたもの」「与えられた人生を誰(だれ)かのためにささげる」と考えています。それは、1970年に起きた「よど号ハイジャック事件」がきっかけでした。よど号に乗っていた日野原さんは当時58歳。命の危険を感じた3泊4日の拘束(こうそく)の末、解放されて飛行機から降りた時、足の裏に何かを感じ、その瞬間(しゅんかん)「自分の命は、自分のものではなく与えられたもの」と悟(さと)りました。それ以来、自分の持つ時間を人のために使おうと決心し、勇気を持って行動する力も身についたそうです。

 この話を聞いて、私は、与えられた人生を有意義に生きるとともに、誰かのために、自分から進んで行動ができる人になろうと思いました。私の約8倍もの年齢(ねんれい)の、人生の先輩である日野原さんの話。本当に貴重なひとときでした。(中1川市奈々)

(2015年1月26日朝刊掲載)

 講演を聞いた、他のジュニアライターの感想は次の通り。

 日野原さんの講演を聞いて、一人一人の命が守られてこそ、平和がもたらされると分かりました。また、講演後に第2部としてあった、子どもたちによる平和ミュージカル「I PRAY」の力強い演技に感動しました。同じ世代の人たちが、ただ演じるのではなく、被爆について考えながら演じていると知って、驚きました。今回初めて、写真を撮影しました。ピース・シーズ第2回の編集後記で「写真にチャレンジしたい」と書いていたので、実現できてうれしかったです。(中1鬼頭里歩)

 会場だった広島市中区のアステールプラザ大ホールを埋めつくすほど多くの人が日野原重明さんの話に聞き入っていました。103歳とは思えないほどの元気さに驚き、尊敬の気持ちを抱きました。日野原さんが話されていた言葉でいちばん印象的だったのは、「戦争という言葉はあってはならない。私は非戦という言葉を提唱する」というものでした。戦争は良くないということは当たり前だったし、少し意外でした。しかし、あえてそれを口に出していうことはとても大切だと感じました。また、新しい言葉を生み出すことで、戦争は良くないというメッセージがよく伝わってくると思いました。(中1川岸言統)

 日野原さんの「よく生きる」ための教えの中に、「出会いから学ぶ」というものがありました。先輩、同僚、友人…。ジュニアライターをしている私にとっては取材先の方も含まれます。さまざまな人と会い、更に視野を広げていこうと思います。(中1藤井志穂)

 103歳の日野原さんは、私が今まで会った人の中では最年長です。しかし、年齢を感じさせないような活動をしていることに衝撃を受けました。1世紀を超える人生経験を他人に還元できることは素晴らしいと思いました。(高1岩田壮)

 平和創作劇「I PRAY」を見て、同年代の人たちがこんな平和を守る活動をしていると知り、驚きました。劇をすることで人の心を動かせるなんて、本当にすごいな、と思いました。(中2上岡弘実)

 今回の話で1番心に残ったのは、「夢を実現へ」という言葉です。夢を夢で終わらせてはいけないと思いました。第2部の劇はどこかで見た気がします。(小6伊藤淳仁)

 今まで私は自分の運命のことについて考えたことがありませんでした。しかし、今回の講演を聞いて今までよりも自分の運命について関心を持つことができました。今回聞いた事を生かし、これからの私に役立ていきたいです。(中3山田千秋)

 日野原さんの「人は生き方を変えることができる」という人生観や経験談を聞いて、そして103歳という年齢になっても前向きに生きているところをすごく格好いいと思いました。(中2岩田央)

 自分に与えられた人生を誰かのためにささげよう!そして、人生は与えられたものではなくて自分で一から作っていけるもの!という言葉が印象に残りました。日野原さんが、患者さんと出会って「学んだ」ように、私もいろんな人と関わって感謝されるような人になりたいと思いました。(中3芳本菜子)

 私は日野原さんの講演会に参加して、あらためて「いのち」の真価について考えました。平和をもたらすためには、いのちを大切に扱わなくてはいけません。私は、これから与えられた「いのち」をどのように使い、人にささげていくか考えていきたいと思います。(中2中川碧)

 今回の日野原先生の講演で、印象に残ったのは「出会いによって運命が始まる」という言葉です。人間は人や出来事、先人が残した本などに出会うことによってやっと、自分がしなくてはならないこと、役目が見えてくるということに私は感動しました。(中3坪木茉里佳)

 103歳とは思えないほどはつらつとしていて、笑いも含んだ講演でとても楽しかったです。「人は生き方を変えることができる」という言葉が印象に残りました。引用の言葉が哲学者の方の文献から来ていて、自分で本を読んでみたいとも思いました。私も日野原さんぐらいの長生きをして人生を謳歌したいです。(高3木村友美)

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