[ジュニアライターこの一作] 「せかいいち うつくしい ぼくの村」(作・絵 小林豊) 戦争が暮らしを破壊
16年8月16日
アフガニスタンの村をモデルにした物語です。主人公の少年ヤモは、父さんと一緒(いっしょ)に初めてまちへ出掛けます。兵隊として戦争に行ってしまった兄さんの代わりに、市場で果物を売るためです。
絵本に出てくる村やまちはにぎやかで、戦争の中でも人々は明るく、力強く暮らしていました。しかし、兄さんのいない不安を感じながらも、「きっと大丈夫(だいじょうぶ)」と言い聞かせるようなヤモの姿に、悲しさを感じました。
この物語は小学校の教科書に載(の)っていました。授業で初めて読んだときの衝撃(しょうげき)は今でも忘れられません。ヤモの住んでいる村は戦争で破壊されてしまうのです。最後の最後で戦争の恐(おそ)ろしさを一気に突(つ)き付(つ)けられました。
戦争によって家族や自分自身がいつけがをし、死んでしまうかもしれない恐怖(きょうふ)を抱(かか)えながら暮らしている人々を想像すると、とても胸が痛くなります。世界で今なお続いている紛争(ふんそう)についてもっと知りたいとあらためて感じました。
絵は温かいタッチで、怖(こわ)さはありません。子どもたちに読んでもらい、戦争によって住む場所など、さまざまなものを失ってしまう事実を知ってもらいたいです。(高3鼻岡舞子)
(2016年8月15日朝刊掲載)
絵本に出てくる村やまちはにぎやかで、戦争の中でも人々は明るく、力強く暮らしていました。しかし、兄さんのいない不安を感じながらも、「きっと大丈夫(だいじょうぶ)」と言い聞かせるようなヤモの姿に、悲しさを感じました。
この物語は小学校の教科書に載(の)っていました。授業で初めて読んだときの衝撃(しょうげき)は今でも忘れられません。ヤモの住んでいる村は戦争で破壊されてしまうのです。最後の最後で戦争の恐(おそ)ろしさを一気に突(つ)き付(つ)けられました。
戦争によって家族や自分自身がいつけがをし、死んでしまうかもしれない恐怖(きょうふ)を抱(かか)えながら暮らしている人々を想像すると、とても胸が痛くなります。世界で今なお続いている紛争(ふんそう)についてもっと知りたいとあらためて感じました。
絵は温かいタッチで、怖(こわ)さはありません。子どもたちに読んでもらい、戦争によって住む場所など、さまざまなものを失ってしまう事実を知ってもらいたいです。(高3鼻岡舞子)
(2016年8月15日朝刊掲載)