[ジュニアライターこの一作] 「14歳からの戦争のリアル」(雨宮処凛著) 苦しむ人 世界に今も
16年1月25日
私にとって、戦争は、自分の住む広島のことを除くと歴史上の一部でした。この本は、14歳の私に戦争のさまざまな側面を教えてくれました。
イラク戦争に行った元米兵、太平洋戦争を経験した元日本兵、イラクの激戦地で料理人として働いたジャーナリスト、徴兵制(ちょうへいせい)を逃れようとフランスに亡命した韓国(かんこく)人…。8人の体験や思いが率直に表現されています。
「英雄(えいゆう)になれると軍隊に入ったが、イラクから戻(もど)って自分のしたことを振り返り、心が痛んだ」「米軍の銃撃(じゅうげき)よりも、餓死(がし)が一番つらかった」「爆弾(ばくだん)が降ってくる中で、仕事は1日3食用意するだけ。外出もできず、戦場にいる感覚がまひした」。教科書では知ることのできない、戦争の現実です。
戦争を知らない私には、本の内容はとても想像できませんでした。でも、戦争で苦しむ人が世界中に今も大勢いる現実を忘れてはいけません。日本も安全保障関連法の成立などで、戦争に巻(ま)き込(こ)まれる危険性が高まっているといわれます。戦争とは何か。この「リアル」についてたくさんの人に知ってほしいです。(中3岡田実優)
(2016年1月25日朝刊掲載)
イラク戦争に行った元米兵、太平洋戦争を経験した元日本兵、イラクの激戦地で料理人として働いたジャーナリスト、徴兵制(ちょうへいせい)を逃れようとフランスに亡命した韓国(かんこく)人…。8人の体験や思いが率直に表現されています。
「英雄(えいゆう)になれると軍隊に入ったが、イラクから戻(もど)って自分のしたことを振り返り、心が痛んだ」「米軍の銃撃(じゅうげき)よりも、餓死(がし)が一番つらかった」「爆弾(ばくだん)が降ってくる中で、仕事は1日3食用意するだけ。外出もできず、戦場にいる感覚がまひした」。教科書では知ることのできない、戦争の現実です。
戦争を知らない私には、本の内容はとても想像できませんでした。でも、戦争で苦しむ人が世界中に今も大勢いる現実を忘れてはいけません。日本も安全保障関連法の成立などで、戦争に巻(ま)き込(こ)まれる危険性が高まっているといわれます。戦争とは何か。この「リアル」についてたくさんの人に知ってほしいです。(中3岡田実優)
(2016年1月25日朝刊掲載)