Peace Seeds ヒロシマの10代がまく種(第51号) 外国人観光客とヒロシマ
17年12月21日
核兵器禁止条約や「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))のノーベル平和賞受賞。ことしは被爆地ヒロシマへの関心が海外でさらに高まりました。
ここ数年、広島市を訪れる外国人は急増しています。昨年は米国の大統領オバマ氏の訪問を受け、約118万人と2012年に比べ約3倍に増えました。平和記念公園は、各国からの旅行者であふれています。
初めてヒロシマに来た海外の人に、原爆の悲惨(ひさん)さや平和を大切にする気持ちをしっかり共有してもらうためには、何が必要なのでしょうか。ジュニアライターが現状を取材し、これからの課題を考えました。
<ピース・シーズ>
平和や命の大切さをいろんな視点から捉(とら)え、広げていく「種」が「ピース・シーズ」です。世界中に笑顔の花をたくさん咲かせるため、中学、高校生の25人が自らテーマを考え、取材し、執筆しています。
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写真・詩で五感に訴える
ジュニアライターの声…私たちも勇気を出して、自分の言葉で説明したい
平和のためのヒロシマ通訳者グループ(HIP)が先月、広島国際会議場で開いた講座「ひろしまを英語でガイド」に参加しました。HIPのメンバーたちの指導で、原爆の子の像や、被爆アオギリを紹介(しょうかい)する練習をしました。
私たちが学んだのは正しい発音や表現だけでなく、写真や絵、詩などを使い、自分に合った方法で五感に訴えるガイドを心掛(こころが)けることです。聞き手の想像力をかきたて、平和や戦争を身近な問題として認識してもらうためです。
長年、英語のボランティアガイドを続けてきた被爆者でHIP代表の小倉桂子さん(80)=中区=は「伝える内容を吟味(ぎんみ)し、自分の言葉と心で平和の思いを紹介することが大切」と言います。そして小倉さんの目標は、街角で外国人に質問されたら「何げなく」英語で答えられる「ヒロシマの案内人」を増やすことです。
自分も含(ふく)め、外国人と話すのをためらう人は多いと思います。これからは勇気を出して行動に移し、海外の友人を案内する機会があれば、自分の言葉で説明できるようにしたいです。(高1池田杏奈、高2岡田実優)
毎日 当日参加者受け入れ
ジュニアライターの声…利用が伸び悩んでいる。ツイッターやインスタでPRを
原爆資料館は毎日午後2時から被爆体験伝承者が英語で被爆者の証言を語(かた)り継(つ)いでいます。先月、被爆2世の清野久美子さん(59)=中区=の話を聞きました。この日は、英国やオーストラリアなどから8人の外国人が会場に集まりました。
清野さんは、故松島圭次郎(けいじろう)さんと、平和記念公園がある中島地区で戦前暮らしていたお母さんの被爆体験を語っています。写真や原爆の絵などを大画面で見せながら、原爆の被害状況(ひがいじょうきょう)や、一帯に繁華街があったことなどを説明。「街は焼(や)き尽(つ)くされ、多くの人が犠牲(ぎせい)になった。母の家族の遺骨は今でも見つかっていない」と訴えました。
真剣に耳を傾(かたむ)けていた英国人女性(29)は「犠牲者は千人程度だと思っていた。ホロコーストと同じくらい残酷(ざんこく)だ」と驚いていました。当日会場に行けば、誰(だれ)でも参加できる貴重な取り組みですが、利用は伸(の)び悩(なや)んでいるようです。英語の講話を1日2回に増やし、ツイッターやインスタグラムなどで発信するなど、もっとPRする仕掛けが必要だと思いました。(中1桂一葉、高1池田杏奈)
7割外国人 口コミで人気
ジュニアライターの声…原爆伝える車内放送 英語も必要/近くの被爆建物も紹介しては?
中国ジェイアールバスは、2013年4月から広島市中心部を回る「ひろしま めいぷるーぷ」を運行しています。毎日47便がJR広島駅を発着します。乗客の約7割は外国人で、ほとんどが原爆ドームと原爆資料館前で乗り降りするそうです。
実際に乗ってみました。もみじマークのバス停が目立ち、英語の表記もあって外国人が迷わず気軽に使えると感じました。さらに平和記念公園を通る時は、原爆被害を解説する車内放送が流れます。ただ、日本語だけなので英語のアナウンスも必要だと思います。
インターネットの口コミ効果で、3月にはそれまでの乗客数が100万人を超えました。「外国人にストレスなく観光してもらいたい。バス停からの案内表示が今後の課題」と運輸課の西村信浩(のぶひろ)さん(53)。近くを通過する被爆建物や被爆樹木も車内で紹介すれば、乗客が平和や復興を考える機会が増えるのでは、と感じました。(高1岡田日菜子、中1桂一葉)
復興を知らない ネットで発信を
原爆供養塔が心に残った。平和記念公園を出るまで悲しみや怒(いか)り、嫌悪感(けんおかん)が消えなかった。川辺に立つ原爆ドームは惨劇を伝えながらとても美しく感動する。周囲には広島の復興を知らない人が多い。インターネットで積極的に情報を発信するとともに、平和関連の会議を誘致(ゆうち)すべきだ。
公園内の英語の案内板 もっと充実させて
美しく、穏(おだ)やかな風景が広がる平和記念公園を歩き、心を動かされた。原爆資料館と原爆ドーム以外では、特に、平和の灯(ともしび)に感銘を受けた。広島市がピースツーリズムを推進するのであれば、慰霊碑などがある場所を示す英語の案内板を充実させてほしい。
過ごす時間 とても良い ドームの対岸に座り
広島国際会議場の本や雑誌が自由に読めるスペースが便利だと思う。原爆ドームの対岸に座って過ごす時間がとても良かった。多言語の案内はもっと増やすべきだろう。また、平和記念公園に特化した会員制交流サイト(SNS)を開き、日々の情報を発信して、感想を集めるのも一案だ。
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昨年、広島市を訪れた外国人観光客の約6割は欧米(おうべい)やオセアニアからの旅行者で、大半が平和記念公園を訪れます。しかし、約45%が市内に泊(と)まらず、日帰りでした。
市は本年度から「ピースツーリズム推進懇談会(こんだんかい)」を開き、被爆建物や被爆樹木、マツダスタジアムなど、原爆や平和、復興関連の施設(しせつ)を回る観光を議論しています。平和と観光をつなげることに反発もありますが、懇談会の座長で被爆者の原田浩(ひろし)さん(78)=安佐南区・写真=は「原爆の悲惨な体験を原点に平和を希求するヒロシマを発信することが大切」と強調します。
懇談会では「交通標識が分かりにくい」「慰霊碑(いれいひ)の裏には大切な説明があるが英語の説明がない」「行政や民間、市民が協力し観光客を温かく迎(むか)える環境(かんきょう)が必要」などの意見が出ています。
原田さんは「平和を世界に発信して広島に来る観光客が増えれば、結果的に地域経済が活性化する。一つ一つのステップを大切にしながら推進すべきだ」と力を込(こ)めます。美術館や旧市民球場跡地(あとち)などを活用し、いつでも神楽や市民演奏会を楽しめる拠点(きょてん)を造れば、宿泊する観光客も増えるのではないでしょうか。(高2中川碧、中1桂一葉)
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外国人観光客が平和を体感する観光サービスも増えています。インターネットで調べてみました。広島市のイベント会社は原爆ドームの対岸で「とうろう流し」を体験するプランを提供。参加者がメッセージを書いてとうろうを川に流し平和と向き合います。
昨秋、平和記念公園前に開業した「おりづるタワー」では来館者が折(お)り鶴(づる)を作り、壁面(へきめん)の空間に投入するプランを展開しています。このほか被爆建物を自転車で回るツアーや、外国人も被爆者と対話できるカフェが登場。いろんな形で平和を考える場が広がっています。(中2田所愛彩)
(2017年12月21日朝刊掲載)
【編集後記】
戦争や災害の跡を訪ねる旅は、一般的に「ダークツーリズム」と呼ばれますが、広島市は「ピースツーリズム」という前向きな言葉を使っています。ヒロシマを表す良い言葉だと思います。広島に来る外国人観光客は年々増えています。しかし、原爆被害についてはほとんど知らないそうです。被爆体験を英語で伝承することで、少しでも分かってもらえればいいなと感じました。また、公共機関が外国人観光客への対応を広げているので、スムーズに広島の街を観光してほしいです。悲惨な過去から立ち上がった広島はすてきな街です。多くの外国人に「ぜひ広島に来てください」と言いたいです。(桂)
今回の取材を通して、外国人を案内する際には、ガイドとしてだけではなく、1人の広島に住む人として、もっとヒロシマについて、知り、伝えられるようにならなければ、と思いました。(岡田実優)
今年ノーベル平和賞を受賞したNGOのICANは核兵器廃絶運動に取り組んでいます。この歴史的な出来事を受けて、被爆地である広島に、再び目が向けられています。今回の取材を通じて、「広島=被爆地」という知識は持っているものの、当時の被害状況や核兵器の脅威を知らない外国人観光客が多いと認識しました。広島人として被爆者の思いを継承し、海外へ発信する大切さを目の当たりにした今、広島の知名度を上げるのではなく、認識度を高める取り組みがこれからの課題だと強く感じました。(池田)
広島のピースツーリズムに関する動きを調べる中で、民間企業の活動が多彩なことを知りました。ピースツーリズムの観光サービスが増えれば増えるほど、多くの外国人観光客が、原爆被害や平和を求める心に触れることになります。私はこのような事業が行われていることを知らなかったので、広めていきたいと思います。また、外国人観光客に、とうろう流しなどを体験してもらい、ヒロシマを体感してもらいたいです。(田所)
原爆資料館の元館長の原田浩さんにインタビューしました。ピースツーリズムのことだけではなく、原爆ドームが世界遺産に登録されるまでの経緯など、貴重なお話を聞くことができてよかったです。今後、ピースツーリズムを通し、たくさんの外国人観光客が平和について考えを深めてほしいと思います。(中川)
ここ数年、広島市を訪れる外国人は急増しています。昨年は米国の大統領オバマ氏の訪問を受け、約118万人と2012年に比べ約3倍に増えました。平和記念公園は、各国からの旅行者であふれています。
初めてヒロシマに来た海外の人に、原爆の悲惨(ひさん)さや平和を大切にする気持ちをしっかり共有してもらうためには、何が必要なのでしょうか。ジュニアライターが現状を取材し、これからの課題を考えました。
<ピース・シーズ>
平和や命の大切さをいろんな視点から捉(とら)え、広げていく「種」が「ピース・シーズ」です。世界中に笑顔の花をたくさん咲かせるため、中学、高校生の25人が自らテーマを考え、取材し、執筆しています。
紙面イメージはこちら
世界に届けよう 私たちの街の願い
英語のガイド
写真・詩で五感に訴える
ジュニアライターの声…私たちも勇気を出して、自分の言葉で説明したい
平和のためのヒロシマ通訳者グループ(HIP)が先月、広島国際会議場で開いた講座「ひろしまを英語でガイド」に参加しました。HIPのメンバーたちの指導で、原爆の子の像や、被爆アオギリを紹介(しょうかい)する練習をしました。
私たちが学んだのは正しい発音や表現だけでなく、写真や絵、詩などを使い、自分に合った方法で五感に訴えるガイドを心掛(こころが)けることです。聞き手の想像力をかきたて、平和や戦争を身近な問題として認識してもらうためです。
長年、英語のボランティアガイドを続けてきた被爆者でHIP代表の小倉桂子さん(80)=中区=は「伝える内容を吟味(ぎんみ)し、自分の言葉と心で平和の思いを紹介することが大切」と言います。そして小倉さんの目標は、街角で外国人に質問されたら「何げなく」英語で答えられる「ヒロシマの案内人」を増やすことです。
自分も含(ふく)め、外国人と話すのをためらう人は多いと思います。これからは勇気を出して行動に移し、海外の友人を案内する機会があれば、自分の言葉で説明できるようにしたいです。(高1池田杏奈、高2岡田実優)
伝承者の講話
毎日 当日参加者受け入れ
ジュニアライターの声…利用が伸び悩んでいる。ツイッターやインスタでPRを
原爆資料館は毎日午後2時から被爆体験伝承者が英語で被爆者の証言を語(かた)り継(つ)いでいます。先月、被爆2世の清野久美子さん(59)=中区=の話を聞きました。この日は、英国やオーストラリアなどから8人の外国人が会場に集まりました。
清野さんは、故松島圭次郎(けいじろう)さんと、平和記念公園がある中島地区で戦前暮らしていたお母さんの被爆体験を語っています。写真や原爆の絵などを大画面で見せながら、原爆の被害状況(ひがいじょうきょう)や、一帯に繁華街があったことなどを説明。「街は焼(や)き尽(つ)くされ、多くの人が犠牲(ぎせい)になった。母の家族の遺骨は今でも見つかっていない」と訴えました。
真剣に耳を傾(かたむ)けていた英国人女性(29)は「犠牲者は千人程度だと思っていた。ホロコーストと同じくらい残酷(ざんこく)だ」と驚いていました。当日会場に行けば、誰(だれ)でも参加できる貴重な取り組みですが、利用は伸(の)び悩(なや)んでいるようです。英語の講話を1日2回に増やし、ツイッターやインスタグラムなどで発信するなど、もっとPRする仕掛けが必要だと思いました。(中1桂一葉、高1池田杏奈)
循環バス
7割外国人 口コミで人気
ジュニアライターの声…原爆伝える車内放送 英語も必要/近くの被爆建物も紹介しては?
中国ジェイアールバスは、2013年4月から広島市中心部を回る「ひろしま めいぷるーぷ」を運行しています。毎日47便がJR広島駅を発着します。乗客の約7割は外国人で、ほとんどが原爆ドームと原爆資料館前で乗り降りするそうです。
実際に乗ってみました。もみじマークのバス停が目立ち、英語の表記もあって外国人が迷わず気軽に使えると感じました。さらに平和記念公園を通る時は、原爆被害を解説する車内放送が流れます。ただ、日本語だけなので英語のアナウンスも必要だと思います。
インターネットの口コミ効果で、3月にはそれまでの乗客数が100万人を超えました。「外国人にストレスなく観光してもらいたい。バス停からの案内表示が今後の課題」と運輸課の西村信浩(のぶひろ)さん(53)。近くを通過する被爆建物や被爆樹木も車内で紹介すれば、乗客が平和や復興を考える機会が増えるのでは、と感じました。(高1岡田日菜子、中1桂一葉)
平和公園でインタビュー
スペイン セルニ・ソランスさん(26)
復興を知らない ネットで発信を
原爆供養塔が心に残った。平和記念公園を出るまで悲しみや怒(いか)り、嫌悪感(けんおかん)が消えなかった。川辺に立つ原爆ドームは惨劇を伝えながらとても美しく感動する。周囲には広島の復興を知らない人が多い。インターネットで積極的に情報を発信するとともに、平和関連の会議を誘致(ゆうち)すべきだ。
エジプト シャイマー・アヒマドさん(30)
公園内の英語の案内板 もっと充実させて
美しく、穏(おだ)やかな風景が広がる平和記念公園を歩き、心を動かされた。原爆資料館と原爆ドーム以外では、特に、平和の灯(ともしび)に感銘を受けた。広島市がピースツーリズムを推進するのであれば、慰霊碑などがある場所を示す英語の案内板を充実させてほしい。
インド カリシッダ・スワミさん(26)
過ごす時間 とても良い ドームの対岸に座り
広島国際会議場の本や雑誌が自由に読めるスペースが便利だと思う。原爆ドームの対岸に座って過ごす時間がとても良かった。多言語の案内はもっと増やすべきだろう。また、平和記念公園に特化した会員制交流サイト(SNS)を開き、日々の情報を発信して、感想を集めるのも一案だ。
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ピースツーリズム懇談会 原田座長「原点の発信が大切」
昨年、広島市を訪れた外国人観光客の約6割は欧米(おうべい)やオセアニアからの旅行者で、大半が平和記念公園を訪れます。しかし、約45%が市内に泊(と)まらず、日帰りでした。
市は本年度から「ピースツーリズム推進懇談会(こんだんかい)」を開き、被爆建物や被爆樹木、マツダスタジアムなど、原爆や平和、復興関連の施設(しせつ)を回る観光を議論しています。平和と観光をつなげることに反発もありますが、懇談会の座長で被爆者の原田浩(ひろし)さん(78)=安佐南区・写真=は「原爆の悲惨な体験を原点に平和を希求するヒロシマを発信することが大切」と強調します。
懇談会では「交通標識が分かりにくい」「慰霊碑(いれいひ)の裏には大切な説明があるが英語の説明がない」「行政や民間、市民が協力し観光客を温かく迎(むか)える環境(かんきょう)が必要」などの意見が出ています。
原田さんは「平和を世界に発信して広島に来る観光客が増えれば、結果的に地域経済が活性化する。一つ一つのステップを大切にしながら推進すべきだ」と力を込(こ)めます。美術館や旧市民球場跡地(あとち)などを活用し、いつでも神楽や市民演奏会を楽しめる拠点(きょてん)を造れば、宿泊する観光客も増えるのではないでしょうか。(高2中川碧、中1桂一葉)
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体感プラン 相次ぎ登場 とうろう流し・折り鶴
外国人観光客が平和を体感する観光サービスも増えています。インターネットで調べてみました。広島市のイベント会社は原爆ドームの対岸で「とうろう流し」を体験するプランを提供。参加者がメッセージを書いてとうろうを川に流し平和と向き合います。
昨秋、平和記念公園前に開業した「おりづるタワー」では来館者が折(お)り鶴(づる)を作り、壁面(へきめん)の空間に投入するプランを展開しています。このほか被爆建物を自転車で回るツアーや、外国人も被爆者と対話できるカフェが登場。いろんな形で平和を考える場が広がっています。(中2田所愛彩)
(2017年12月21日朝刊掲載)
【編集後記】
戦争や災害の跡を訪ねる旅は、一般的に「ダークツーリズム」と呼ばれますが、広島市は「ピースツーリズム」という前向きな言葉を使っています。ヒロシマを表す良い言葉だと思います。広島に来る外国人観光客は年々増えています。しかし、原爆被害についてはほとんど知らないそうです。被爆体験を英語で伝承することで、少しでも分かってもらえればいいなと感じました。また、公共機関が外国人観光客への対応を広げているので、スムーズに広島の街を観光してほしいです。悲惨な過去から立ち上がった広島はすてきな街です。多くの外国人に「ぜひ広島に来てください」と言いたいです。(桂)
今回の取材を通して、外国人を案内する際には、ガイドとしてだけではなく、1人の広島に住む人として、もっとヒロシマについて、知り、伝えられるようにならなければ、と思いました。(岡田実優)
今年ノーベル平和賞を受賞したNGOのICANは核兵器廃絶運動に取り組んでいます。この歴史的な出来事を受けて、被爆地である広島に、再び目が向けられています。今回の取材を通じて、「広島=被爆地」という知識は持っているものの、当時の被害状況や核兵器の脅威を知らない外国人観光客が多いと認識しました。広島人として被爆者の思いを継承し、海外へ発信する大切さを目の当たりにした今、広島の知名度を上げるのではなく、認識度を高める取り組みがこれからの課題だと強く感じました。(池田)
広島のピースツーリズムに関する動きを調べる中で、民間企業の活動が多彩なことを知りました。ピースツーリズムの観光サービスが増えれば増えるほど、多くの外国人観光客が、原爆被害や平和を求める心に触れることになります。私はこのような事業が行われていることを知らなかったので、広めていきたいと思います。また、外国人観光客に、とうろう流しなどを体験してもらい、ヒロシマを体感してもらいたいです。(田所)
原爆資料館の元館長の原田浩さんにインタビューしました。ピースツーリズムのことだけではなく、原爆ドームが世界遺産に登録されるまでの経緯など、貴重なお話を聞くことができてよかったです。今後、ピースツーリズムを通し、たくさんの外国人観光客が平和について考えを深めてほしいと思います。(中川)