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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 被爆者らがメッセージ ノーベル平和賞授賞式前のイベントに参加

次は若い世代が行動する番

 「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))へのノーベル平和賞授賞式を前に、被爆者6人と被爆者を治療してきた医師が原爆資料館(広島市中区)に集まりました。歴史的な機会に若い人たちにメッセージを受け止めてもらおうと、NPO法人、ANT―Hiroshimaが主催しました。

 9歳の時に被爆した豊永恵三郎さん(81)は「ICANの受賞はうれしかった。まだスタートであり、核兵器廃絶へこれからが勝負」と喜びました。原爆で家族を失い孤児となった川本省三さん(83)は「新聞紙を奪い合って食べるほど空腹に苦しみ、餓死していった孤児たちがいた。未来の日本をつくるのは中高生。悲惨なことが繰り返されないよう協力して頑張って」と呼び掛けました。

 広島の平和ミュージカル「I PRAY」に参加する子どもたちも出席し、被爆から立ち上がる人たちの思いを伝える歌を披露しました。嶋野ゆりかさん(15)は「被爆者が教えてくれた命の大切さや戦争の恐ろしさを国内外に伝えていくことは、本当に大切だと感じた」と話しました。

 私にとって印象深かったのは8歳の時に被爆した岡田恵美子さん(80)の言葉です。「火が迫る中を逃げたとき、空は夕日のように赤く染まっていた。だから今も夕日を見るのが嫌」。思い出したくない、つらい記憶を話してくれているのです。次は若い世代が行動する番だと思いました。平和賞の盛り上がりを終わらせず、広島と長崎の体験や核兵器の恐ろしさをもっと広く知ってもらうことにつなげたいです。(高1鬼頭里歩)

(2017年12月18日朝刊掲載)

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