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ジュニアライター発信

Peace Seeds ジュニアライターが作った詩

 ジュニアライター4人が佐野元春さんに教わって作った詩は、次の作品です。

「届かない声」中川碧

あなたはいまなにを考えているのだろう
なにを思っているのだろう
すぐ、近くにいるはずなのに
ただすれ違うばかり

一緒に笑って、泣いて
たくさん話したいのに
自分の背中のように
わたしにはあなたが見えない

最後に会ったのは
リボンが青に変わるまえ
ふと思い出すと、
あなたがどんどん遠ざかっているようで
自分が置いて行かれてるみたい

まえにはいつも一緒にいたのに
どうしてこんなになっちゃったのだろう

明日もまた
会えると信じて
帰り道にあなたを探す

「明日のために」岡田輝海

目や耳や手や足が、もっとあれば
目がもっとあれば、きっとたくさんの人や風景が一度に見える
耳がもっとあれば、きっとたくさんの声が一度に聞ける
手がもっとあれば、きっと最終日までためてしまう夏休みの宿題もすぐ終わらせてしまう
足がもっとあれば、きっとマラソン大会で疲れることもない
けどで目がもっとあれば、きっと見たくないものまで見えてしまう
けど耳がもっとあれば、きっと聞きたくないことまで聞こえてしまう
けど手がもっとあれば、きっと朝起きたときに手がからまってしまう
けど足がもっとあれば、きっと靴下を履くのも大変だろう
二つでいい、二つでも、二つしかないから
もっと大事なものを見て聞いて触れて歩いて
そうやって生きていきたい

「明日は未来」松崎成穂

1年365日、毎朝日は昇って、毎晩日は沈む
夜が明ければ、朝は必ずやってくる
でも、明日は 毎日やってくるものなんだろうか。

日曜日の夜、明日起きたくないと思う
つらくて苦しい夜、明日なんて永遠にやって来ないのでは
と不安に思う
いろいろな明日があって、今がある
未来がある

明日は絶望
明日を誰かに奪われたり
自分で自分の明日をゴミ箱に捨てたり
明日があるって、大変なこと

明日は希望
明日はまた新しい自分
新たな出会い
明日があるって、喜びだ

もし明日が来るなら、いい日にしよう
今日よりも、昨日よりも、一昨日よりも

明日は未来
明日は誰にもわからない
今日を精一杯生きよう
明日がより良い日になるように

「より良い明日」田所愛彩

誰かの影になる
誰かの支えになる
そうして終わった日々に
描きたい夢がある
脇役で終わりたくない
一度は輝いてみたい
ガラスの靴をはいてみたいの

誰かに期待される
誰かの役に立つ
そうして過ぎた日々に
置いてきた夢がある
他の誰かに任せてしまいたい
普通になりたい
ガラスの靴をぬいでみたいの

一人を選びたがる世界の中で
「一人」はどうしているのだろう
特別こだわることもなく
前を向いているのだろうか

目立つということ
特別になるということ
選ばれた「一人」になるということ
託されたものに期待さえなければ
捨ててしまいたい

目立たないということ
その他大勢になるということ
縁の下で働き続けるということ
支えたものに責任さえなければ
投げ出してしまいたい

ガラスの靴をはくこと
エプロンを身につけて働くこと
選びたくても選べないかもしれない
お互いが羨ましくても
選んだ先はいばらの道かもしれない
「もしかしたら」が怖くて
あきらめる夢は未来の後悔かもしれない

ガラスの靴をはいたら
ガラスの靴をぬいだら
待っているものは分からない
けれどそこに
「自分のやり方」を描けたらいいな

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