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ジュニアライター発信

[ジュニアライターこの一作] 「太陽の子」(灰谷健次郎著)

沖縄戦の「傷」に驚く

 神戸生まれの小学6年ふうちゃんと、沖縄(おきなわ)出身のふうちゃんの両親が神戸の街で営む琉球(りゅうきゅう)料理店「てだのふあ・おきなわ亭」に集う人たちを描(えが)いています。この店には、たくさんの沖縄出身の人々が集まり、楽しい時間を過ごしています。しかし、ふうちゃんのお父さんをはじめ、それぞれの人が抱えている、第2次世界大戦末期の沖縄戦での「傷」が見えてきます。

 この物語では、沖縄にある米軍基地の問題などにも触(ふ)れる部分があり、日本人として学ばないといけないことを突(つ)き付けられます。私は、沖縄について全く知らないと感じました。沖縄出身者だから、と差別を受けている描写(びょうしゃ)もあり、そんなことがあったとは知らずとても驚(おどろ)きました。差別は無知や、相手のことを知ろうとしない気持ちが原因で起こると思います。もっと沖縄について学ばないといけません。

 何十年たっても戦争は人々を苦しめます。そのような残酷(ざんこく)なことは絶対に繰(く)り返(かえ)してはいけません。(高2中川碧)

(2017年5月15日朝刊掲載)

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