[ジュニアライターこの一作] 「太陽の子」(灰谷健次郎著)
17年5月15日
沖縄戦の「傷」に驚く
神戸生まれの小学6年ふうちゃんと、沖縄(おきなわ)出身のふうちゃんの両親が神戸の街で営む琉球(りゅうきゅう)料理店「てだのふあ・おきなわ亭」に集う人たちを描(えが)いています。この店には、たくさんの沖縄出身の人々が集まり、楽しい時間を過ごしています。しかし、ふうちゃんのお父さんをはじめ、それぞれの人が抱えている、第2次世界大戦末期の沖縄戦での「傷」が見えてきます。
この物語では、沖縄にある米軍基地の問題などにも触(ふ)れる部分があり、日本人として学ばないといけないことを突(つ)き付けられます。私は、沖縄について全く知らないと感じました。沖縄出身者だから、と差別を受けている描写(びょうしゃ)もあり、そんなことがあったとは知らずとても驚(おどろ)きました。差別は無知や、相手のことを知ろうとしない気持ちが原因で起こると思います。もっと沖縄について学ばないといけません。
何十年たっても戦争は人々を苦しめます。そのような残酷(ざんこく)なことは絶対に繰(く)り返(かえ)してはいけません。(高2中川碧)
(2017年5月15日朝刊掲載)