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ジュニアライター発信

[ジュニアライターこの一作] 「サウンド・オブ・ミュージック」(1965年、ロバート・ワイズ監督、20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン)

意思表示の大切さ実感

 自由が失われる危機感をはねのけるように響(ひび)く歌声に聞きほれました。作品は第2次世界大戦中のオーストリアの古都、ザルツブルクを舞台(ぶたい)に、退役軍人のトラップ一家を描いたミュージカル映画です。

 「ドレミの歌」「エーデルワイス」など、多くの人が聞いたことのある名曲が登場。音楽はばらばらだった家族や思い悩(なや)む家庭教師役のマリア、音楽祭の聴衆(ちょうしゅう)の心を大きく動かします。僕も歌の素晴らしさや逆境に負けない一家に感動しました。

 当時のオーストリアは侵攻(しんこう)を続けるナチス・ドイツに併合(へいごう)され、街はナチスの旗に染まります。トラップ大佐(たいさ)も招集(しょうしゅう)されますが、ナチスに嫌悪(けんお)感を抱いていたので自分や家族に危険が及(およ)ぶのを知った上で、祖国からの逃亡(とうぼう)を決意しました。

 自分に届く電報なども政府に監視(かんし)されるなど、言いたいことが言えない時代でした。大佐のように信念を貫(つらぬ)き、行動することは簡単でなかったと思います。僕は今、自由に発言し行動できる時代に暮らしています。自分の信念をしっかり持ち、選挙などを通じて意思表示する大切さを改めて実感しました。

 「エーデルワイス」の花言葉は「大切な思い出」です。この映画をしっかり心に留めておきます。(高2上長者春一)

(2017年4月17日朝刊掲載)

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