[ジュニアライターこの一作] 「シンドラーのリスト」(1993年、スティーブン・スピルバーグ監督)
17年3月6日
行動する勇気 心打つ
第2次世界大戦中、ポーランドにいたユダヤ人を安く雇(やと)って軍需(ぐんじゅ)工場を経営したドイツ人のオスカー・シンドラー。初めはビジネスとしてやっていました。しかし、強制収容所で赤い服を着たユダヤ人少女の死体が運ばれているのを見て以来、金もうけよりユダヤ人を助けようと決心します。
僕は、終戦を迎(むか)えたことで「戦犯」になったシンドラーが「(ユダヤ人を)もっと救い出せた」と悔(く)やむ場面が心に残りました。誰(だれ)にもできないようなことをやってのけたのに、失った多くの人々の命を気に掛(か)けているのです。目の前の悲惨(ひさん)な現状をどうにかしないといけない、という強い思いがあったのではないか、と考えました。
自分の工場を後にする時、ユダヤ人従業員たちに指輪をプレゼントされます。指輪に書かれた「一つの命を救うものが世界を救える」というユダヤ教の聖書の言葉。僕も何か行動するのに、ためらわずにできる人間になりたいです。(高1岩田央)
(2017年3月6日朝刊掲載)