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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 被爆した医師2人と座談会

「語り継いで」 言葉に重み

 広島市医師会の市民公開講演会「忘れまい原爆の恐ろしさを 伝えようヒロシマの心を」が、広島市西区の広島医師会館でありました。被爆者の医師、檜脇(ひわき)千里さん(88)と原田義弘さん(82)の体験を聞きました。2人と高校生による座談会(ざだんかい)もありました。

 檜脇さんは、東区牛田早稲田の自宅で被爆しました。当時14歳。逃(に)げる途中(とちゅう)で、ずるりとむけた皮膚(ひふ)を手の先に垂(た)らして歩く人をたくさん見たそうです。「牛田山から見た、壊滅(かいめつ)した広島の街の風景は忘れられない」と話しました。

 原田さんは、安佐南区の祖父母宅に疎開していました。目がくらむほどの強い光を受け、きのこ雲を見ました。「ひどいやけどを負った人たちの顔に、刻(きざ)んだきゅうりを貼(は)るくらいしかできなかった」と振り返りました。

 座談会には、中国新聞ジュニアライターの佐藤茜さん(高2)、柚木優里奈さん(高1)と一緒に参加しました。平和のために私たちができることを尋(たず)ねると、檜脇さんは「与えられた境遇(きょうぐう)で懸命(けんめい)に生き、原爆のことを多くの人に語り継いでほしい」、原田さんは「相手の立場を尊重して謙虚(けんきょ)に生きてほしい」と答えました。戦争を知る2人の言葉には、重みがありました。(高2斉藤幸歩)

(2019年7月15日朝刊掲載)

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