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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 市民から首脳にどう訴え 被爆者と若い世代の集い

 広島市で5月にある先進7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、「被爆者と若い世代の集い」が原爆資料館(広島市中区)で開かれました。被爆者団体や若者のグループなど9団体の代表者が世代を超(こ)えて、首脳たちに市民から何を訴(うった)えるべきかについて意見を述(の)べ合いました。

 県被団協の箕牧(みまき)智之理事長は「被爆の実態(じったい)を知ってもらうために被爆者と対面で話す機会を設(もう)けてほしい」と提案。核兵器廃絶に向けた具体的な道筋(みちすじ)の提示(ていじ)や、首脳たちが平和記念公園を訪れるときは原爆慰霊碑だけでなく原爆供養塔(げんばくくようとう)も訪れてほしい、という意見もありました。原爆で犠牲(ぎせい)になった約7万体とされる遺骨が納められている事実を知ってほしいという理由からです。

 「核政策(かくせいさく)を知りたい広島若者有権者の会」の田中美穂共同代表は「ジェンダー(社会的性差)の多様性が核兵器廃絶実現のポイント」と訴えました。

 参加者たちは、集いの中で出た意見を基に「被爆者との意見交換」「核兵器なき世界への道筋の提示」など17項目からなる要望書をつくり、4月上旬に岸田文雄首相宛(あ)てに出しました。

 過去を知り、原爆が使われた過ちを忘れず、広い視野で多くの人が一緒に核兵器廃絶へ歩むことが平和な未来をつくると思います。取材をしながら、被爆者と若い世代が集まり、一つになっているように感じました。(高2田口詩乃)

(2023年4月18日朝刊掲載)

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