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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 サーローさん講演 母校で平和の尊さ伝える

 広島女学院中高(広島市中区)の卒業生でカナダ在住の被爆者、サーロー節子さん(91)を迎(むか)えての「特別礼拝」が校内でありました。後輩(こうはい)の私たちに向けて講演し、平和の尊さを話してくれました。

 サーローさんは、広島女学院高等女学校の在学中に爆心地から1・8キロで被爆しました。建物に一緒(いっしょ)にいた人の多くが焼け死にました。「私は生き延びた。それはどういうことなのか。自問しながら戦後を生きていました」と語りました。

 サーローさんにとって平和とは、核兵器や戦争がなくなるだけではなく、世界中の人々が幸せな生活を送れることだそうです。「相手を傷つけず、相手の命を自分の命のように大切にすることが平和の実現につながる」といいます。

 海外で被爆体験を語ってきたサーローさん。米国では反発を受けてくじけそうになったこともあったそうです。「平和な世界は私たち一人一人の努力でつくり出すのです」と強調しました。世界の人々がお互(たが)いの存在を認め、尊重できたらいいと思います。91歳とは思えない力強い話に核兵器廃絶への強い気持ちを感じました。(中1石井瑛美)

(2023年6月5日朝刊掲載)

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