ジュニアライター発信

　ノーベル平和賞を受賞した非政府組織（ＮＧＯ）核兵器廃絶国際キャンペーン（ＩＣＡＮ（アイキャン））の国際運営委員である川崎哲（あきら）さん（５４）が、著書（ちょしょ）「僕の仕事は、世界を平和にすること。」を出版（しゅっぱん）しました。仕事として取り組んできた平和活動を若者向けに分かりやすく解説（かいせつ）しています。

　ＩＣＡＮや共同代表を務めるＮＧＯピースボート（東京）での経験から、いつも大事だと考える１３のことを紹介しています。現場の考えと政策（せいさく）の間を行き来する▽反対の立場の人と対話する―などです。核兵器禁止条約が２０１７年に国連で成立するまでの市民の動きや、被爆者と世界を巡（めぐ）って核兵器廃絶を訴（うった）えたことにも触（ふ）れています。

　川崎さんは、出版記念イベントで「世界は変えることができる」「声を上げる人が増えれば変化は起きる」と話しました。私は世界の紛争（ふんそう）に関する報道を目にして「かわいそう」と感じるばかりでしたが、自分とどんな関わりがあるのかを受け身にならず考えてみようと思いました。旬報社。１７６０円。（高２小林芽衣）

（２０２３年７月３日朝刊掲載）