[ジュニアライターがゆく] 8・6 世界の人に聞きました
23年8月21日
広島原爆の日の8月6日、国内外から多くの人が広島を訪れ、平和記念公園であった平和記念式典に参列したり、原爆資料館を見学したりしました。
中国新聞ジュニアライター16人は公園の中でいろんな国から来た人たちに声をかけて、どんな思いで広島を訪れたのか、平和のために何ができると思うかを聞きました。中高生のときにジュニアライターだった大学生5人と、中国新聞でインターン活動をしたフランス出身の大学院生と一緒に活動しました。
また、海外で原爆の日を過ごしたジュニアライターもいます。韓国と英国での体験をリポートします。
平和記念公園を訪れた理由
平和記念式典に参加するため。2歳で被爆して白血病(はっけつびょう)で亡くなった佐々木禎子さんの本を読んだ。家族で折った鶴を「原爆の子の像」にささげるつもり。①フロリアン・キエンスレさん(43)=ドイツ
広島市内の病院に就職が決まり、同郷(どうきょう)の友人たちと原爆ドームを訪れた。②フィトリ・ハンドラヤニさん(18)=インドネシア
インターネットで式典の開催(かいさい)を知った。イタリアの人たちは毎年8月6日に広島で式典が開かれていることを知らない。ソーシャルネットワークで発信したい。③アリアンナ・ザンピエーリさん(16)=イタリア
原水爆禁止世界大会に参加した。ネパールは核兵器を持つ中国とインドに接し、パキスタンとも近いため危険だと感じている。④シェルパ・クリパスルさん(73)=ネパール
原爆資料館で印象に残った展示
被爆後に白血病などで苦しみ亡くなった人たちがいると初めて知った。78年後も被害が続いている現実を突きつけられた。①ノルラシダ・ラシドさん(28)=マレーシア
被爆前後の街並みをCG(コンピューターグラフィックス)で再現したコーナーで、原爆が一瞬で街を崩壊(ほうかい)させる様子を見た。甚大(じんだい)な被害に言葉を失った。②アマム・ナサーさん(26)=スペイン 犠牲者の生前の姿を捉(とら)えた写真から、被爆前の人々の暮らしを思い悲しくなった。③エルビア・デレオンさん(29)=メキシコ
3歳で被爆して亡くなった男の子の三輪車とヘルメットに胸が締(し)め付けられた。④ギエム・メネリックさん(21)=エチオピア
犠牲になった子どもたちの衣服。やけどで喉(のど)が渇(かわ)き、原爆が落とされた後に降(ふ)った「黒い雨」を飲んだ人たちがいたと知った。⑤ラウラ・ウジルさん(19)=イタリア
被爆者の証言ビデオを見た。むごい体験を聞いて平和のために国籍の違う人たちが理解し合うことが大切だと思った。⑥アムラ・エステラ・ヴァンデンホーフェンさん(25)=オランダ
心に残ったのは、一人一人の体験、今も残されている資料と一人一人の遺品。⑦パウラ・リディエト・パラ・メナルさん(18)=エチオピア
あなたの国は核兵器を持っていますか
■持っている
安全保障のため持っている方がいいと考えるが、広島で原爆被害を知って複雑な思いだ。①ケビン・マンコウスキさん(22)=米国
核兵器の保有は間違っていると思う一方、不安定な国際情勢(こくさいじょうせい)を考えると核抑止(かくよくし)による安全保障は必要だと考える。②ウィルソン・ボルタースドルフさん(20)=英国
すぐ手放すことはできないかもしれないが、広島を訪れて核兵器は使われてはならないと思った。③ジュリー・ジバースさん(19)=中国
世界中の核兵器を廃絶(はいぜつ)するべきだ。持ち歩いている水筒(すいとう)に「No Nukes(反核(はんかく))」と書かれたステッカーを貼って私の考えを発信している。④ミカエル・コックスさん(56)=米国
■持っていない
どの国も核兵器のような破壊的(はかいてき)な兵器をもつべきでない。⑤クアン・チェンさん(42)=オーストラリア
私の国は核兵器を持たないと法律で定めている。誇(ほこ)りに思う。⑥マーク・ハッサルさん(52)=ニュージーランド
私の国には米国の核兵器が置かれている。だめだ。絶対にいけない!⑦サーシャ・グリローさん(57)=イタリア
平和のため自分にできること
世界の指導者(しどうしゃ)に広島訪問を促(うなが)したい。核兵器が私たちにどのような影響(えいきょう)を及ぼすのか知ってほしい。①モニク・リドレーさん(51)=オーストラリア
ロシアが軍事侵攻(ぐんじしんこう)したウクライナからポーランドに多くの住民が避難(ひなん)してきている。隣国で戦争が起きている今、平和のために何ができるのか即答(そくとう)できない。②ベアタ・クストラさん(30)=ポーランド
小学校で英語を教えている。教育を通していじめや暴力をなくしていきたい。③ダニエラ・ワリタさん(35)=アルゼンチン
多くの国を旅行して世界中の人とつながりたい。④フェリペ・ピーターさん(30)=ブラジル
ウクライナで起きている戦争をはじめ、あらゆる争いに対して抗議(こうぎ)するべきだ。⑤ドミニク・マリツキさん(26)=ポーランド
家族や友人たち身近な人と過ごす小さな平和なひとときを大切にしたい。⑥オッケル・ヘンリックさん(12)=ドイツ
平和を脅(おびや)かす状況にすぐに気付くことができるように情報のアンテナを張(は)っておく。⑦リカルド・ルイージ・フランコさん(21)=イタリア
高2小林芽衣、田口詩乃、山瀬ちひろ、高1小林由縁、中野愛実、相馬吏子、谷村咲蕾、森美涼、中3尾関夏彩、川本芽花、中2佐藤那帆、矢澤輝一、松藤凜、行友悠葵、中1小林真衣、石井瑛美、大学生の伊藤淳仁、及川陽香、岡島由奈、桂一葉、フィリックス・ウォルシュ、大学院生インターンのマエル・ジレが担当しました。
(2023年8月21日朝刊掲載)
中国新聞ジュニアライター16人は公園の中でいろんな国から来た人たちに声をかけて、どんな思いで広島を訪れたのか、平和のために何ができると思うかを聞きました。中高生のときにジュニアライターだった大学生5人と、中国新聞でインターン活動をしたフランス出身の大学院生と一緒に活動しました。
また、海外で原爆の日を過ごしたジュニアライターもいます。韓国と英国での体験をリポートします。
平和記念公園を訪れた理由
平和記念式典に参加するため。2歳で被爆して白血病(はっけつびょう)で亡くなった佐々木禎子さんの本を読んだ。家族で折った鶴を「原爆の子の像」にささげるつもり。①フロリアン・キエンスレさん(43)=ドイツ
広島市内の病院に就職が決まり、同郷(どうきょう)の友人たちと原爆ドームを訪れた。②フィトリ・ハンドラヤニさん(18)=インドネシア
インターネットで式典の開催(かいさい)を知った。イタリアの人たちは毎年8月6日に広島で式典が開かれていることを知らない。ソーシャルネットワークで発信したい。③アリアンナ・ザンピエーリさん(16)=イタリア
原水爆禁止世界大会に参加した。ネパールは核兵器を持つ中国とインドに接し、パキスタンとも近いため危険だと感じている。④シェルパ・クリパスルさん(73)=ネパール
原爆資料館で印象に残った展示
被爆後に白血病などで苦しみ亡くなった人たちがいると初めて知った。78年後も被害が続いている現実を突きつけられた。①ノルラシダ・ラシドさん(28)=マレーシア
被爆前後の街並みをCG(コンピューターグラフィックス)で再現したコーナーで、原爆が一瞬で街を崩壊(ほうかい)させる様子を見た。甚大(じんだい)な被害に言葉を失った。②アマム・ナサーさん(26)=スペイン 犠牲者の生前の姿を捉(とら)えた写真から、被爆前の人々の暮らしを思い悲しくなった。③エルビア・デレオンさん(29)=メキシコ
3歳で被爆して亡くなった男の子の三輪車とヘルメットに胸が締(し)め付けられた。④ギエム・メネリックさん(21)=エチオピア
犠牲になった子どもたちの衣服。やけどで喉(のど)が渇(かわ)き、原爆が落とされた後に降(ふ)った「黒い雨」を飲んだ人たちがいたと知った。⑤ラウラ・ウジルさん(19)=イタリア
被爆者の証言ビデオを見た。むごい体験を聞いて平和のために国籍の違う人たちが理解し合うことが大切だと思った。⑥アムラ・エステラ・ヴァンデンホーフェンさん(25)=オランダ
心に残ったのは、一人一人の体験、今も残されている資料と一人一人の遺品。⑦パウラ・リディエト・パラ・メナルさん(18)=エチオピア
あなたの国は核兵器を持っていますか
■持っている
安全保障のため持っている方がいいと考えるが、広島で原爆被害を知って複雑な思いだ。①ケビン・マンコウスキさん(22)=米国
核兵器の保有は間違っていると思う一方、不安定な国際情勢(こくさいじょうせい)を考えると核抑止(かくよくし)による安全保障は必要だと考える。②ウィルソン・ボルタースドルフさん(20)=英国
すぐ手放すことはできないかもしれないが、広島を訪れて核兵器は使われてはならないと思った。③ジュリー・ジバースさん(19)=中国
世界中の核兵器を廃絶(はいぜつ)するべきだ。持ち歩いている水筒(すいとう)に「No Nukes(反核(はんかく))」と書かれたステッカーを貼って私の考えを発信している。④ミカエル・コックスさん(56)=米国
■持っていない
どの国も核兵器のような破壊的(はかいてき)な兵器をもつべきでない。⑤クアン・チェンさん(42)=オーストラリア
私の国は核兵器を持たないと法律で定めている。誇(ほこ)りに思う。⑥マーク・ハッサルさん(52)=ニュージーランド
私の国には米国の核兵器が置かれている。だめだ。絶対にいけない!⑦サーシャ・グリローさん(57)=イタリア
平和のため自分にできること
世界の指導者(しどうしゃ)に広島訪問を促(うなが)したい。核兵器が私たちにどのような影響(えいきょう)を及ぼすのか知ってほしい。①モニク・リドレーさん(51)=オーストラリア
ロシアが軍事侵攻(ぐんじしんこう)したウクライナからポーランドに多くの住民が避難(ひなん)してきている。隣国で戦争が起きている今、平和のために何ができるのか即答(そくとう)できない。②ベアタ・クストラさん(30)=ポーランド
小学校で英語を教えている。教育を通していじめや暴力をなくしていきたい。③ダニエラ・ワリタさん(35)=アルゼンチン
多くの国を旅行して世界中の人とつながりたい。④フェリペ・ピーターさん(30)=ブラジル
ウクライナで起きている戦争をはじめ、あらゆる争いに対して抗議(こうぎ)するべきだ。⑤ドミニク・マリツキさん(26)=ポーランド
家族や友人たち身近な人と過ごす小さな平和なひとときを大切にしたい。⑥オッケル・ヘンリックさん(12)=ドイツ
平和を脅(おびや)かす状況にすぐに気付くことができるように情報のアンテナを張(は)っておく。⑦リカルド・ルイージ・フランコさん(21)=イタリア
高2小林芽衣、田口詩乃、山瀬ちひろ、高1小林由縁、中野愛実、相馬吏子、谷村咲蕾、森美涼、中3尾関夏彩、川本芽花、中2佐藤那帆、矢澤輝一、松藤凜、行友悠葵、中1小林真衣、石井瑛美、大学生の伊藤淳仁、及川陽香、岡島由奈、桂一葉、フィリックス・ウォルシュ、大学院生インターンのマエル・ジレが担当しました。
(2023年8月21日朝刊掲載)