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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 戦前戦後 生活たどる 泉美術館の「広島の記憶」展

 広島市西区の泉美術館で開かれている特別展「広島の記憶」を取材しました。絵はがきや写真、日本と米国、英国の新聞記事など約320点の資料から被爆地広島の戦前戦後の街並(まちな)み、暮らしをたどることができます。

 企画したNPO法人「広島写真保存活用の会」代表の松浦康高さん(67)が、戦後の占領(せんりょう)で報道の規制(きせい)があったため、原爆被害について公表が難しかった背景(はいけい)を説明してくれました。当時の新聞や文学作品から、それでも原爆のむごさを伝えようとしたメディアや作家たちの思いを感じました。

 展示(てんじ)で目を引いたのは四国五郎さんが描(えが)いた被爆前の人々の姿(すがた)です。京橋川で泳ぐ子どもたちや、本通りで買い物をする人たち…。にぎやかな雰囲気(ふんいき)です。この街で暮(く)らしていた多くの人が原爆で犠牲(ぎせい)になったということが伝わってきます。

 「軍都広島(ぐんとひろしま)」の歴史が分かる資料もあります。27日まで開かれています。(中2行友悠葵)

(2023年8月21日朝刊掲載)

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