×

ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 「高校生外交官」米国で体験 原爆の惨状 同世代に伝える

 この夏休み中、日本の高校生20人が「高校生外交官」として米バージニア大などに約2週間滞在(たいざい)するプログラムに参加し、現地の高校生20人と国際問題について議論(ぎろん)しました。AIG損害保険(東京)の主催(しゅさい)です。

 日本人参加者を代表して、私は「ピーススピーチ」をしました。原爆資料館(広島市中区)に展示(てんじ)している黒焦(くろこ)げの弁当箱の写真を見せて「なぜこうなったと思いますか」と問いかけました。弁当を持って建物疎開(たてものそかい)の作業に出た13歳の少年が被爆し、亡くなったことを説明しました。

 日米の高校生が学ぶ原爆投下の歴史的背景の説明は異(こと)なると聞いていたので、反応が心配でしたが「身近な弁当が悲惨(ひさん)な状態になるほどの被害があったと初めて知った」「友人に伝えたい」と言ってくれました。

 多様な文化や価値観を持つ他者を理解しようとすることの大切さを感じました。今後の取材で、原爆の被害や被爆者たちが抱(かか)えてきた心身の苦しみをもっと知り、海外で伝えたいと思いました。(高2小林芽衣)

(2023年8月28日朝刊掲載)

年別アーカイブ