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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 ボスニア・ヘルツェゴビナの旅行ブロガー 「平和都市広島を伝えたい」

 ボスニア・ヘルツェゴビナを知っていますか。九州と四国を合わせたぐらいの広さの欧州の国です。私たちは、同国第2の都市バニャルカから広島を訪れたロベルト・ダチェシンさん(33)を取材しました。著名な旅行ブロガーで、交流サイト(SNS)に多くのフォロワーがいます。

 司会を務める週1回のテレビ番組でも、さまざまな国や地域の良さを発信しています。広島では原爆資料館を見学して被爆者の講話を聞いたり、お好み焼き作りを体験したりしました。撮影した映像は、30分の番組にします。「広島がどのように平和都市となったのかを伝えたい」と意気込んでいました。

 ボスニア・ヘルツェゴビナは、多民族国家として知られた旧ユーゴスラビアの一部でした。1992年に独立を巡り対立したセルビア系、クロアチア系、ボスニャク(イスラム教徒)の人たちの間で、戦後の欧州で最悪といわれる民族紛争が起こりました。ダチェシンさんが幼かった時です。停電が続き、食事もパンに砂糖やオイルをのせるだけ。「それが普通だと思っていた」と話します。

 今も、民族間のわだかまりがなくなってはいないといいます。ボスニア・ヘルツェゴビナでも、広島の原爆ドームのように戦争を忘れないため戦争の爪痕を壊さず後世に残そうとする動きもあるそうです。

 ダチェシンさんが広島の復興ぶりに感心する言葉を何度も述べていたことが印象的でした。「戦争」と聞くと2国間の争いを思い浮かべていましたが、国内紛争もあります。戦争や紛争を経験した国や地域がどうすれば復興し、平和を取り戻せるのか、海外のことをもっと学びたいと思いました。ボスニア・ヘルツェゴビナを旅行してみたくなりました。(中1西谷真衣)

(2023年2月14日朝刊掲載)

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