[ジュニアライターがゆく] 平和公園 原爆の日アンケート 何が平和を脅かしている?
24年8月12日
8月6日は79回目の広島原爆の日でした。広島の市民と県民はもとより国内外から多くの観光客が平和記念公園(中区)を訪れ、平和記念式典に参列。原爆犠牲者を悼(いた)むとともに平和を願っていました。
しかし世界では、この瞬間(しゅんかん)も紛争(ふんそう)などでおびただしい命が奪(うば)われています。平和からほど遠いのが現実です。中国新聞ジュニアライターは、公園と周辺を歩く人たちに「今、何が平和を脅(おびや)かしていると思いますか」と話しかけ、さまざまな色の紙に答えを書いてもらいました。みんなの考えも、さまざまでした。一部を紹介します。
外国語で書かれているのは…
①過去を忘れ、歴史から学ばないこと(イタリア)②強欲(ごうよく)(ブラジル)③政治とエゴ(メキシコ)④違(ちが)いを恐れること(フランス)⑤帝国主義(ていこくしゅぎ)(スペイン)⑥互(たが)いを理解しないこと(ドイツ)⑦国のリーダーたち(米国)⑧生きとし生けるものの尊重と寛容(かんよう)の欠如(けつじょ)(フランス)⑨偏見(へんけん)(ノルウェー)⑩戦争、貧困、核兵器(台湾)など。
私たちが担当しました
【ジュニアライター】高3小林芽衣、田口詩乃、山瀬ちひろ、高2小林由縁、後藤風太郎、谷村咲蕾、中野愛実、藤原花凛、森美涼、山口莉緒、吉田真結、高1川本芽花、新長志乃、竹岡伊代莉、山下裕子、山代夏葵、中3亀居翔成、川鍋岳、佐藤那帆、西谷真衣、松藤凜、矢沢輝一、行友悠葵、中2石井瑛美、小林真衣、山下綾子、中1岡本龍之介、小林菫、相馬吏緒、森本希承
【元ジュニアライターの大学生】伊藤淳仁、及川陽香、岡島由奈、桂一葉
(2024年8月12日朝刊掲載) 【2024年8月6日の取材感想】
私は高校3年生でジュニアライターとして迎える最後の8月6日でした。平和記念式典については、コロナ前のように本当に多くの人が平和記念公園まで足を運び、無事執り行うことができてよかったと感じました。多くの方がこの8月6日という日に直接平和公園を訪れ、取材を受けてくださったことに感謝しています。私の班では受けてくれた皆さんが本当に真剣に考えて下さり、一人一人の本音を知ることができた気がしました。国や年齢が違っても、みんなが今の世界は平和が脅かされていると感じていること、そして一人一人がそれを解決したいと思っている、その原因をそれぞれ思っていることがあると知ることができました。
世界の平和を守るためには、何か特別なことをするのではなくても、たくさんの人と自分の気持ちを語りあってお互いの気持ちを知ることが大切だとあらためて思いました。集めた皆さんの声を読んで、初め自分は戦争や核兵器など目に見えるものでしか考えることができていませんでしたが、欲や偏見など目には見えないが根本的な問題も平和を脅かしていると気づくことができました。今の自分ならこの質問に「相手を尊敬し、思いやる気持ちの欠如」と答えます。(高3山瀬ちひろ)
国籍や年齢、性別を問わずさまざまな人に質問を投げかけると、多くの人が、「参ったなあ」という顔をしました。私が質問を受ける立場だったら、そういう顔をしたのではないかと思います。確かに抽象的で答えが一つに決まるものではなく、難しい質問です。家族や友人と相談をし、白熱した議論のようになったグループもありましたが、最後にはそれぞれの答えを出していました。
私だったらどう答えるだろうか。そう考えた時、「目先のことに囚われること」という言葉が浮かびました。今がよければ後はどうなってもいい。極端ですが、そういう考え方が広がっているような気がします。自国が優勢に立つこと、利益があること、自分の暮らしが快適であること―。そうしたことにばかり気が向き、将来の社会や自然環境、人々の暮らしがどうなるかまで考えられなくなっているような気がします。もしかすると、意識的に考えないようにしているのかもしれません。なぜなら、そういったことの正解は分からないし、簡単に答えが出ないからです。しかし、今、平和を脅かしているもの、そして私たちに必要なものこそが、そういった問題を考え続けることなのではないでしょうか。四六時中そのことを考えることや、たった一人でその問題に立ち向かうことは難しいです。一方で、ちょっとした機会に親しい人と一緒に考えることでかなりハードルが下がるように思います。むしろ多くの人と考えることで新たな側面を知ることができるかもしれません。大勢に取材する中でそのことを強く感じました。一つとして同じ答えはないからこそ、それらが集まることでより正解に近いものの輪郭が浮かび上がってくるように思いました。(高3田口詩乃)
印象的だった回答は「無関心」でした。最終的に大切な決定を下すのは各国リーダーですが、全体で見るとリーダーでは無い人に比べて一般市民の方が圧倒的に多く、持つ権力の大きさに差はあるとしても、大多数が声を上げればリーダーにも届くはずです。市民が平和に関して「無関心」だと、知らないうちに戦争に加担する事態も生まれかねません。ロシアのウクライナ侵攻においても、フェイク動画が出回り、多くの人々を混乱させました。特にソーシャルネットワーク上の情報は出典不明な情報が多く、その真偽を吟味せず信じてしまうと、国のプロパガンダに加担することにもつながりうるので、「無関心」であることは十分に罪なことだと思いました。また、平和記念式典の挨拶でイスラエルの代表が出席していながらも、アメリカへの忖度を働かせず、国際法違反の侵攻に触れた湯崎英彦県知事は立派だと思いました。岸田文雄首相は当たり障りのないことを言っているように感じました。
私が平和活動に力を入れていることを知っている関西の友人が、平和記念式典の中継をテレビで見て、その感想や核廃絶に対する意見を送ってきてくれたことも印象的でした。やはり、一人一人が戦争の記憶を自分事として捉えて考えを巡らし、言葉にすること、発信することが大事だと思います。(高3小林芽衣)
海外の人たちにインタビューして感じたことは、平和を脅かすものとは、他国の文化や価値観への理解の不足と、そして、その土地で暮らしている人たちに対する想像力の欠如だと思いました。私がこのことに気付かされたのは、米国人女性が、平和を脅かすものとして「誤解とヘイト」を挙げたことです。私は今まで戦争は富を得たい偏った為政者や乗せられる国民が悪いと片付けてしまっていました。しかし、相手の国と関わりがあったり、例えば相手の国に友人がいて、そこで住んでいる人たちのことを想像できれば、戦争が選択肢になるはずがないと考えました。これからも他国の人と仲良くなったり、理解を広げたりして、広島を発信していくことで偏見や誤解を解いて、平和な世界の実現に貢献していきたいと思いました。(高2後藤風太郎)
インタビューで最も印象に残った意見は、私と同じ高校生が答えた「環境」でした。理由について、生まれた環境や育った環境で意見や価値観が変わってくるからだと話していました。私は広島に生まれ育って、何の違和感も持たずに平和について学んで考えてきました。もし広島に生まれていなければ、原爆の事や被爆者の証言も知らなかったかもしれません。生まれ育った環境が異なっていても同じように原爆や平和について関心を持ってもらえるように、ジュニアライターとして発信していきたいと思います。(高2中野愛実)
色紙に書いてもらったメッセージの中で「為政者が平和を脅かしている」という回答がいくつかありました。複雑な世界情勢で、自国の価値観だけでは成り立たないという難しい状況なのかもしれませんが、本来、為政者は、国民の総意を反映するために存在していると思います。たとえ一時的に問題を抑えられたとしても、その問題は後の世代も抱えることになります。核抑止論は、その例だと思います。妥協せず長期的な視点を持って、核廃絶への道に少しずつでも歩み続けるべきです。(高2谷村咲蕾)
「今、何が平和を脅かしていると思うか」という質問に対し、様々な答えがありました。「武力」や「核兵器」などは、私たち中高生の力ですぐになくすことができるものではありません。しかし、「無関心」や「偏見」、「違いを認められない心」などは私たちの意識で変えていくことができます。私たちの力で、平和を脅かしているものを少しずつなくしていくことができると感じました。
私が考える「今平和を脅かしているもの」は、「諦める心」です。「単独で核軍縮を進めても意味がない」と言う核保有国の為政者や「核兵器禁止条約に核保有国は参加していないから、日本が参加しても意味がない」と考える日本政府、そして「一人の力じゃ何も変わらない」と世の中を悲観的に見る市民。このように平和を願う気持ちはありながらも、行動に移すことを諦めている人が多くいるのではないかと思います。しかし今年の「平和への誓い」にあったように、願うだけでは平和は訪れません。
どの立場の人も、諦める心から一歩勇気を踏み出し前に進む必要があります。そうすれば、世界はきっと変わります。あらためて、私も被爆者の声をしっかりと語り継ぎ、平和の輪を広げていきたいと感じました。(高2藤原花凛)
今年は「今、何が平和を脅かしていると思いますか?」という質問で今までとは違いマイナスのイメージのある質問だったのが衝撃的でした。質問が少し抽象的で考え込む人も多く、その人の思考や知識の違いが分かりやすかったように感じました。質問の答えとして「欲」や「エゴ」など人間の感情をあげている人が多く、核兵器などのものをあげる人は少なかったように感じた。また欲やエゴは努力で無くすことが難しいものであり、平和の実現が難しいことと関係しているのではと考えました。暑かったからか外国人観光客と学生が多く、体力や興味が伴わないと来ることが難しくなっているのかなと思いました。また子供連れもよく見かけ、被爆者や高齢の方はあまり見かけなかったです。(高2小林由縁)
近年の国際情勢の悪化をうけて、国内外から多くの方が訪れていた今年の平和記念式典。ジュニアライターとして初めて参列しました。「今、何が平和を脅かしていると思うか」という質問を投げかけたとき、真剣に考え込んだり意見を交わし合ったりする姿に、平和意識の高まりを感じました。
取材を始める前は国籍や年代によって回答に価値観の違いが反映されるのではないかと考えていましたが、国籍や年代、性別を問わず、人間の欲深さや相互理解の欠如を挙げる方が多かったことが印象的でした。「平和を脅かすもの」という質問は人権侵害や虐殺、核兵器といった現在起きている問題を連想させますが、その全てに共通する「不理解・不寛容」という問題にも同時に目を向けていくことが求められています。現在起きているあらゆる戦争や紛争、虐殺、そしてそれらの原因となりうる構造的な差別に反対していくためにも、平和都市・ヒロシマから発信し続けていきたいと思います。
ジュニアライターの活動を通して、自身の理解の深化のみならず、国内外から平和記念公園を訪れた観光客一人ひとりの声を広く伝えていくことに貢献していきたいです。(高2山口莉緒)
多くの人が「欲」という言葉を挙げました。私なら「戦争兵器」とか「憎しみの心」と答えるだろうと思っていたので、理解するのに時間がかかりました。欲は、例えば「部活の試合で優勝したい」などの良欲がある一方、自分だけのものにしたいといった悪欲も存在します。つまり、「欲」は人間を行動に移させる動力にもなるし、自己中心的になる動力にもなると思います。たった2文字でも深い思いがこもっていると感じ、この取材で最も印象に残りました。
また、最初は自分から積極的に話しかける勇気が出ず、もどかしい思いをしました。しかし、グループ内で色紙を渡す人、写真を撮る人などと役割分担をし、全員で協力して手際よく取材できました。取材を重ねるうちに、自然と「次は自分が聞いてみよう」という意識が強くなり自信を持って質問できました。今後も自発的に行動する意欲を大切にしていきたいと思います。(高1新長志乃)
「平和を脅かしているものは何か」という問いに対して、様々な答えが返ってきたことが、とても面白いと感じました。世界に多種多様な考え方があることが素晴らしいことだと思います。これを争いの原因ではなく、たくさんのアイデアを生み出すことができるプラスなことだと捉え、よりよい世界を作っていくヒントにすることが大切だと感じました。今後は、一つの質問に対して、どのくらい異なる考え方が出てくるのか、調べてみたいです。(高1山下裕子)
連日の猛暑の中、平和記念公園には国内外からの訪れた多くの人の姿があり、不安定な国際情勢をうけて、平和に対する関心が高まっているように感じました。取材を行う中で、多くの方が平和について深く考えてくださり、私自身も質問をしながら考えさせられました。メッセージにも多くあったように、武器の製造や戦争では企業や国に大きなお金をもたらします。それゆえ、戦争がなくならないのではないでしょうか。取材では核兵器保有国に住む人にも取材することができました。あの日から80年という節目の年である来年に向け、広島の若者の一人として私も平和に想いを馳せながら、活動をしていきたいと思いました。(高1山代夏葵)
「今、何が平和を脅かしていると思うか」という質問には、多くの人が「難しい質問だな」という反応をしていました。戦争や核兵器といった具体的な意見もあれば、意識の差やナショナリズムといった目には見えない人々の心理的な部分を指摘する人もいました。多種多様な考え方があり、興味深かったです。どの意見にも共感できる部分があり、この取材を通して私は、実際に平和を脅かしているものはこれ、と言い切ることはできないという考えになりました。人々の意識や経済的な余裕などのいろいろな要素が平和を作るのであり、それは逆も然りです。だからこそ、多くの人が難しい質問だと感じたのかなと思いました。改めて、平和な世界を作るにはある問題の一点に働きかけるのではなく、多くの人たちが協力していろいろな視点から平和を目指すことが必要だと感じられ、有意義な取材となりました。(高1川本芽花)
原爆の日に初めてジュニアライターのインタビューに参加しました。忙しい人や反対意見などを持つ人もいると思って、とても緊張しました。平和記念式典が終わって、インタビューをする時がきました。先輩たちがすぐにインタビューする人を決めて、緊張した様子も見せずに質問をする姿を見て驚きました。インタビューに答えてくれた人たちは、私の想像よりもとても親切で、真剣に考えてくださいました。国外からの旅行者にインタビューをしても良いか尋ねると、快く許可していただいてくれたことが嬉しかったです。それぞれの意見や考えを知ることができた良い機会だったと思います。今後、学校の仲間たちと留学生を平和記念公園内で案内する時、今回のインタビューの話をしたいと思います。(高1竹岡伊代莉)
今年の平和式典では、去年よりさらに多くの人が訪れていたと感じました。平和への関心が高まる中、私たちは「今、何が平和を脅かしていると思いますか?」とインタビューをしました。その中で印象に残ったのは「人々は過去を忘れ、歴史は後世の人々に何かを教えるために使われていない」という回答でした。確かに平和を脅かしているものは核兵器や武器ももちろんですが、歴史から学ばないこと、恐ろしさを知らずに、身勝手な行動をすることでもあり、まさに今の世界であり、とても共感しました。
もし、私が答えるとするならば、「無責任」です。戦争を行うのは、国の指導者であり、戦争が起きてしまうのは、戦争によって失われる尊い命の重みを理解しておらず、自分、自国の思うままに、武力を行使するからだと考え、相手の立場に立って考えられていません。また、核兵器の廃絶に向けて動き出す、と宣言したものの、実際に行動が伴っておらず言葉だけ、という状態になるのも、同じく「無責任」だと思います。平和な世界の実現のために、世界中の人が、危機感をもってこの問題に対策し、真摯に向き合うことが、重要であるとあらためて決心しました。(中3矢沢輝一)
平和記念式典に初めて参列しました。8時15分までは参列者の話し声が聞えていましたが、8時15分になると全員が黙祷をしてピタッと静かになるのは、私たちの心が平和を思う一つの気持ちになるのを感じて安心しました。「今、何が世界平和を脅かしていると思いますか?」という問いに対して、私はウクライナ侵攻や核兵器の存在という答えが多く出てくると思いましたが、無知や政治家など幅広い範囲の回答があり驚きました。質問をしている時に感じたのは、県外の人が多かったということです。日本人を取材していて相手が県外の人である確率が高くて、日本全体の広島・原爆への関心が現状でもある程度存在することを実感しました。インタビューをする8月6日の取材は初めてでしたが、平和記念公園内にいる人の声を直接聞くのは新鮮で貴重な体験でした。(中3川鍋岳)
最も心に残っているのは、茨城から平和について学ぶために広島を訪れた高校生と大学生への取材です。大学生は、平和を脅かしているのは、「人」で、なぜなら武器を作り、使うのも人、今平和かと決めるのも人、また社会も個人個人がどう行動するかできまると答えました。8月6日の悲劇を生んだのも人同士の戦いで、戦争をしない世界に変えられるのは「人」しかいないと感じました。
高校生は、平和を脅かしているのは「環境」で、その人の生活してきた環境によって考え方や感じ方が変わるからだとおっしゃっていました。それを聞いた時、広島に核兵器を落とされたことについて日本は、多くの人々の命を奪った脅威だと考えるのに対して、米国は戦争を終わらせる為に落としたもので、しょうがなかったと考えていることが思い浮かびました。他にも「人の欲」だったり、「戦争」がありました。茨城の人たちとの会話で、同じように平和な世の中にしたいと考える同世代の声が聞けたり、資料館に訪れている人たちに話を聞き、意識が高まり、世界が平和に少し近づけたと感じました。(中3佐藤那帆)
今回初めて式典に出席しました。平和宣言や、平和への誓いなどを初めて生で聞くことが出来、その言葉の重さをすごく感じました。また、大勢の観光客が式典に参加しており、79年前の広島に多くの方が思いをはせていることが嬉しかったです。取材では、色々な国の方に質問をすることができて、とても勉強になりました。最も印象的だったのは、意見が多種多様だったことです。どの意見も納得のいくもので、平和をはばむものはまだまだ多いのだと実感しました。私たちが平和への一歩を踏み出すために何が出来るのか、あらためて自分自身に問いかけるいい機会となりました。今回の取材で学んだことを今後の活動に生かしていきたいです。(中3西谷真衣)
今回の平和記念式典の取材で感じたことは二つあります。一つ目は言葉の重みです。私は毎年平和記念式典をテレビで見ていたんですが、今回直接そこに行って、平和への誓いなどを聞くと、一つ一つの言葉がテレビで聞くよりもとても重みがあって、心に響きました。二つ目はインタビューの中であった『無関心』という言葉に強く共感しました。物事は何かを知ろうとしないと始まらないし、行動を起こせないので、まずは知ろうとすることが大切という点が自分にとってとても勉強になりました。(中3亀居翔成)
今回、平和公園でインタビューして思ったことは、いろいろな人が多様な考えを持っているということです。今回、インタビューした60人程度の回答は同じものがあまりなく、国内外の人たちが一人一人、色々な答えを持っていることがわかりました。そして、この結果は「今、平和を脅かしているもの」がたくさんあるということだと思い、これらを一つずつ解決していけば多くの人の思う平和に行き着くのだと思いました。(中3行友悠葵)
8月6日に取材して感じたことは、平和公園には若い人たちが多かったなと思いました。修学旅行生などが多くいて、インタビューでも年の近い人から意見が聞けたので、とても勉強になりました。(中2小林真衣)
私は平和記念式典で原爆が投下された8時15分の黙とうの時、式典に参加していた人々が原爆で苦しんだ人々に祈っていて、周りがとても静かになったことがとても印象的でした。私は黙とうの時「世界中が平和になりますように」と祈りました。平和記念式典でいろんな方のお話を聞いて、平和になるために私たちが何をすればいいのかを改めて考えさせられました。平和式典を見学した後、声をかけた人は外国人の方が多く、広島から世界へ、平和が発信できているなと思いました。書いてもらったメッセージの中で過去を忘れることがいけないという意見に共感しました。私は過去のつらい出来事を忘れずに過ごすことで平和は訪れると思っています。(中2石井瑛美)
私の考える平和を脅かしているものは、「人の欲」だと思います。インタビューした人の中にも「欲」と答えた人がいましたが、人の欲の怖さは、はかりしれないと思います。人の欲がぶつかり合うことで、喧嘩や戦争が起こったりもすると思うけど、その欲を意見として捉え、話し合うことが大切だと思います。(中2山下綾子)
印象に残ったのは、取材をした人の中で同じ意見をもっている人がいなかったことです。一人一人が平和について考え、思いをもっていることが実感でき、いいことだと思いました。そして、その思いを無駄にしないために取材に積極的に参加していきたいです。(中1小林菫)
原爆の日に、ジュニアライアーとして取材活動をするのは初めてでした。最初は、見知らぬ人、特に外国人に話しかけるのに緊張しましたが、徐々に慣れて積極的に質問することができました。私が特に共感したのは、広島市立大の学生の考えです。武器を買ったり使い回したりしているのは「人」であり、政治も個人の行動ひとつひとつで変わり、平和を決めるのも「人」という具体的な意見をくれました。世の中には、なぜか絶対に悪いことをする人がいます。そういう「人」たちに、どう平和について知ってもらえばいいのか、私は深く考えてしまいました。また、私は大きな気付きがありました。それは、外国人と話す楽しさと、インタビューをする楽しさです。英語で話しかけて、それが通じて、答えてもらった時の達成感も得ました。これらを忘れずに、今後もジュニアライターとして楽しく動いていきたいと思います。(中1岡本龍之介)
今日の取材で心に残ったことは、アメリカから来た女性に今平和を脅かしているものが何かと聞くと、「Government leaders(国のリーダーたち)」と答えたことです。私は取材前、日本人も外国人も多くは「核兵器」や「戦争」といった回答をするのだろうと想像していました。でも、この女性の言葉を聞いて深く共感しました。国同士の争いは、主にそれぞれの国の主導者の欲望、思惑の中で行われるものなので、主導者が平和への思いを示すことで、国同士の争いが減り、平和への一歩になるのではないかと考えます。ただ、その国の主導者を選ぶのは国民です。自分たちの意思、正義のためには他人を傷つけることも致し方ないと考える風潮があったら、それを利用する政治を行う主導者も生まれてくるかもしれません。いかなる場合も、戦争をしない、平和を守るという考えを国民が忘れてはいけないと考えます。(中1森本希承)
取材をして一番感じたことは、何が平和を脅かしているかという質問には色々な考え方があるということです。平和式典には外国から来た人や、歴史を学びに来たという人など多くの人が来られて、対立する考え方の人もいたのでとても勉強になりました。また、インタビューをして、直接お話を聞く大切さも学べました。(中1相馬吏緒)
しかし世界では、この瞬間(しゅんかん)も紛争(ふんそう)などでおびただしい命が奪(うば)われています。平和からほど遠いのが現実です。中国新聞ジュニアライターは、公園と周辺を歩く人たちに「今、何が平和を脅(おびや)かしていると思いますか」と話しかけ、さまざまな色の紙に答えを書いてもらいました。みんなの考えも、さまざまでした。一部を紹介します。
外国語で書かれているのは…
①過去を忘れ、歴史から学ばないこと(イタリア)②強欲(ごうよく)(ブラジル)③政治とエゴ(メキシコ)④違(ちが)いを恐れること(フランス)⑤帝国主義(ていこくしゅぎ)(スペイン)⑥互(たが)いを理解しないこと(ドイツ)⑦国のリーダーたち(米国)⑧生きとし生けるものの尊重と寛容(かんよう)の欠如(けつじょ)(フランス)⑨偏見(へんけん)(ノルウェー)⑩戦争、貧困、核兵器(台湾)など。
私たちが担当しました
【ジュニアライター】高3小林芽衣、田口詩乃、山瀬ちひろ、高2小林由縁、後藤風太郎、谷村咲蕾、中野愛実、藤原花凛、森美涼、山口莉緒、吉田真結、高1川本芽花、新長志乃、竹岡伊代莉、山下裕子、山代夏葵、中3亀居翔成、川鍋岳、佐藤那帆、西谷真衣、松藤凜、矢沢輝一、行友悠葵、中2石井瑛美、小林真衣、山下綾子、中1岡本龍之介、小林菫、相馬吏緒、森本希承
【元ジュニアライターの大学生】伊藤淳仁、及川陽香、岡島由奈、桂一葉
(2024年8月12日朝刊掲載) 【2024年8月6日の取材感想】
私は高校3年生でジュニアライターとして迎える最後の8月6日でした。平和記念式典については、コロナ前のように本当に多くの人が平和記念公園まで足を運び、無事執り行うことができてよかったと感じました。多くの方がこの8月6日という日に直接平和公園を訪れ、取材を受けてくださったことに感謝しています。私の班では受けてくれた皆さんが本当に真剣に考えて下さり、一人一人の本音を知ることができた気がしました。国や年齢が違っても、みんなが今の世界は平和が脅かされていると感じていること、そして一人一人がそれを解決したいと思っている、その原因をそれぞれ思っていることがあると知ることができました。
世界の平和を守るためには、何か特別なことをするのではなくても、たくさんの人と自分の気持ちを語りあってお互いの気持ちを知ることが大切だとあらためて思いました。集めた皆さんの声を読んで、初め自分は戦争や核兵器など目に見えるものでしか考えることができていませんでしたが、欲や偏見など目には見えないが根本的な問題も平和を脅かしていると気づくことができました。今の自分ならこの質問に「相手を尊敬し、思いやる気持ちの欠如」と答えます。(高3山瀬ちひろ)
国籍や年齢、性別を問わずさまざまな人に質問を投げかけると、多くの人が、「参ったなあ」という顔をしました。私が質問を受ける立場だったら、そういう顔をしたのではないかと思います。確かに抽象的で答えが一つに決まるものではなく、難しい質問です。家族や友人と相談をし、白熱した議論のようになったグループもありましたが、最後にはそれぞれの答えを出していました。
私だったらどう答えるだろうか。そう考えた時、「目先のことに囚われること」という言葉が浮かびました。今がよければ後はどうなってもいい。極端ですが、そういう考え方が広がっているような気がします。自国が優勢に立つこと、利益があること、自分の暮らしが快適であること―。そうしたことにばかり気が向き、将来の社会や自然環境、人々の暮らしがどうなるかまで考えられなくなっているような気がします。もしかすると、意識的に考えないようにしているのかもしれません。なぜなら、そういったことの正解は分からないし、簡単に答えが出ないからです。しかし、今、平和を脅かしているもの、そして私たちに必要なものこそが、そういった問題を考え続けることなのではないでしょうか。四六時中そのことを考えることや、たった一人でその問題に立ち向かうことは難しいです。一方で、ちょっとした機会に親しい人と一緒に考えることでかなりハードルが下がるように思います。むしろ多くの人と考えることで新たな側面を知ることができるかもしれません。大勢に取材する中でそのことを強く感じました。一つとして同じ答えはないからこそ、それらが集まることでより正解に近いものの輪郭が浮かび上がってくるように思いました。(高3田口詩乃)
印象的だった回答は「無関心」でした。最終的に大切な決定を下すのは各国リーダーですが、全体で見るとリーダーでは無い人に比べて一般市民の方が圧倒的に多く、持つ権力の大きさに差はあるとしても、大多数が声を上げればリーダーにも届くはずです。市民が平和に関して「無関心」だと、知らないうちに戦争に加担する事態も生まれかねません。ロシアのウクライナ侵攻においても、フェイク動画が出回り、多くの人々を混乱させました。特にソーシャルネットワーク上の情報は出典不明な情報が多く、その真偽を吟味せず信じてしまうと、国のプロパガンダに加担することにもつながりうるので、「無関心」であることは十分に罪なことだと思いました。また、平和記念式典の挨拶でイスラエルの代表が出席していながらも、アメリカへの忖度を働かせず、国際法違反の侵攻に触れた湯崎英彦県知事は立派だと思いました。岸田文雄首相は当たり障りのないことを言っているように感じました。
私が平和活動に力を入れていることを知っている関西の友人が、平和記念式典の中継をテレビで見て、その感想や核廃絶に対する意見を送ってきてくれたことも印象的でした。やはり、一人一人が戦争の記憶を自分事として捉えて考えを巡らし、言葉にすること、発信することが大事だと思います。(高3小林芽衣)
海外の人たちにインタビューして感じたことは、平和を脅かすものとは、他国の文化や価値観への理解の不足と、そして、その土地で暮らしている人たちに対する想像力の欠如だと思いました。私がこのことに気付かされたのは、米国人女性が、平和を脅かすものとして「誤解とヘイト」を挙げたことです。私は今まで戦争は富を得たい偏った為政者や乗せられる国民が悪いと片付けてしまっていました。しかし、相手の国と関わりがあったり、例えば相手の国に友人がいて、そこで住んでいる人たちのことを想像できれば、戦争が選択肢になるはずがないと考えました。これからも他国の人と仲良くなったり、理解を広げたりして、広島を発信していくことで偏見や誤解を解いて、平和な世界の実現に貢献していきたいと思いました。(高2後藤風太郎)
インタビューで最も印象に残った意見は、私と同じ高校生が答えた「環境」でした。理由について、生まれた環境や育った環境で意見や価値観が変わってくるからだと話していました。私は広島に生まれ育って、何の違和感も持たずに平和について学んで考えてきました。もし広島に生まれていなければ、原爆の事や被爆者の証言も知らなかったかもしれません。生まれ育った環境が異なっていても同じように原爆や平和について関心を持ってもらえるように、ジュニアライターとして発信していきたいと思います。(高2中野愛実)
色紙に書いてもらったメッセージの中で「為政者が平和を脅かしている」という回答がいくつかありました。複雑な世界情勢で、自国の価値観だけでは成り立たないという難しい状況なのかもしれませんが、本来、為政者は、国民の総意を反映するために存在していると思います。たとえ一時的に問題を抑えられたとしても、その問題は後の世代も抱えることになります。核抑止論は、その例だと思います。妥協せず長期的な視点を持って、核廃絶への道に少しずつでも歩み続けるべきです。(高2谷村咲蕾)
「今、何が平和を脅かしていると思うか」という質問に対し、様々な答えがありました。「武力」や「核兵器」などは、私たち中高生の力ですぐになくすことができるものではありません。しかし、「無関心」や「偏見」、「違いを認められない心」などは私たちの意識で変えていくことができます。私たちの力で、平和を脅かしているものを少しずつなくしていくことができると感じました。
私が考える「今平和を脅かしているもの」は、「諦める心」です。「単独で核軍縮を進めても意味がない」と言う核保有国の為政者や「核兵器禁止条約に核保有国は参加していないから、日本が参加しても意味がない」と考える日本政府、そして「一人の力じゃ何も変わらない」と世の中を悲観的に見る市民。このように平和を願う気持ちはありながらも、行動に移すことを諦めている人が多くいるのではないかと思います。しかし今年の「平和への誓い」にあったように、願うだけでは平和は訪れません。
どの立場の人も、諦める心から一歩勇気を踏み出し前に進む必要があります。そうすれば、世界はきっと変わります。あらためて、私も被爆者の声をしっかりと語り継ぎ、平和の輪を広げていきたいと感じました。(高2藤原花凛)
今年は「今、何が平和を脅かしていると思いますか?」という質問で今までとは違いマイナスのイメージのある質問だったのが衝撃的でした。質問が少し抽象的で考え込む人も多く、その人の思考や知識の違いが分かりやすかったように感じました。質問の答えとして「欲」や「エゴ」など人間の感情をあげている人が多く、核兵器などのものをあげる人は少なかったように感じた。また欲やエゴは努力で無くすことが難しいものであり、平和の実現が難しいことと関係しているのではと考えました。暑かったからか外国人観光客と学生が多く、体力や興味が伴わないと来ることが難しくなっているのかなと思いました。また子供連れもよく見かけ、被爆者や高齢の方はあまり見かけなかったです。(高2小林由縁)
近年の国際情勢の悪化をうけて、国内外から多くの方が訪れていた今年の平和記念式典。ジュニアライターとして初めて参列しました。「今、何が平和を脅かしていると思うか」という質問を投げかけたとき、真剣に考え込んだり意見を交わし合ったりする姿に、平和意識の高まりを感じました。
取材を始める前は国籍や年代によって回答に価値観の違いが反映されるのではないかと考えていましたが、国籍や年代、性別を問わず、人間の欲深さや相互理解の欠如を挙げる方が多かったことが印象的でした。「平和を脅かすもの」という質問は人権侵害や虐殺、核兵器といった現在起きている問題を連想させますが、その全てに共通する「不理解・不寛容」という問題にも同時に目を向けていくことが求められています。現在起きているあらゆる戦争や紛争、虐殺、そしてそれらの原因となりうる構造的な差別に反対していくためにも、平和都市・ヒロシマから発信し続けていきたいと思います。
ジュニアライターの活動を通して、自身の理解の深化のみならず、国内外から平和記念公園を訪れた観光客一人ひとりの声を広く伝えていくことに貢献していきたいです。(高2山口莉緒)
多くの人が「欲」という言葉を挙げました。私なら「戦争兵器」とか「憎しみの心」と答えるだろうと思っていたので、理解するのに時間がかかりました。欲は、例えば「部活の試合で優勝したい」などの良欲がある一方、自分だけのものにしたいといった悪欲も存在します。つまり、「欲」は人間を行動に移させる動力にもなるし、自己中心的になる動力にもなると思います。たった2文字でも深い思いがこもっていると感じ、この取材で最も印象に残りました。
また、最初は自分から積極的に話しかける勇気が出ず、もどかしい思いをしました。しかし、グループ内で色紙を渡す人、写真を撮る人などと役割分担をし、全員で協力して手際よく取材できました。取材を重ねるうちに、自然と「次は自分が聞いてみよう」という意識が強くなり自信を持って質問できました。今後も自発的に行動する意欲を大切にしていきたいと思います。(高1新長志乃)
「平和を脅かしているものは何か」という問いに対して、様々な答えが返ってきたことが、とても面白いと感じました。世界に多種多様な考え方があることが素晴らしいことだと思います。これを争いの原因ではなく、たくさんのアイデアを生み出すことができるプラスなことだと捉え、よりよい世界を作っていくヒントにすることが大切だと感じました。今後は、一つの質問に対して、どのくらい異なる考え方が出てくるのか、調べてみたいです。(高1山下裕子)
連日の猛暑の中、平和記念公園には国内外からの訪れた多くの人の姿があり、不安定な国際情勢をうけて、平和に対する関心が高まっているように感じました。取材を行う中で、多くの方が平和について深く考えてくださり、私自身も質問をしながら考えさせられました。メッセージにも多くあったように、武器の製造や戦争では企業や国に大きなお金をもたらします。それゆえ、戦争がなくならないのではないでしょうか。取材では核兵器保有国に住む人にも取材することができました。あの日から80年という節目の年である来年に向け、広島の若者の一人として私も平和に想いを馳せながら、活動をしていきたいと思いました。(高1山代夏葵)
「今、何が平和を脅かしていると思うか」という質問には、多くの人が「難しい質問だな」という反応をしていました。戦争や核兵器といった具体的な意見もあれば、意識の差やナショナリズムといった目には見えない人々の心理的な部分を指摘する人もいました。多種多様な考え方があり、興味深かったです。どの意見にも共感できる部分があり、この取材を通して私は、実際に平和を脅かしているものはこれ、と言い切ることはできないという考えになりました。人々の意識や経済的な余裕などのいろいろな要素が平和を作るのであり、それは逆も然りです。だからこそ、多くの人が難しい質問だと感じたのかなと思いました。改めて、平和な世界を作るにはある問題の一点に働きかけるのではなく、多くの人たちが協力していろいろな視点から平和を目指すことが必要だと感じられ、有意義な取材となりました。(高1川本芽花)
原爆の日に初めてジュニアライターのインタビューに参加しました。忙しい人や反対意見などを持つ人もいると思って、とても緊張しました。平和記念式典が終わって、インタビューをする時がきました。先輩たちがすぐにインタビューする人を決めて、緊張した様子も見せずに質問をする姿を見て驚きました。インタビューに答えてくれた人たちは、私の想像よりもとても親切で、真剣に考えてくださいました。国外からの旅行者にインタビューをしても良いか尋ねると、快く許可していただいてくれたことが嬉しかったです。それぞれの意見や考えを知ることができた良い機会だったと思います。今後、学校の仲間たちと留学生を平和記念公園内で案内する時、今回のインタビューの話をしたいと思います。(高1竹岡伊代莉)
今年の平和式典では、去年よりさらに多くの人が訪れていたと感じました。平和への関心が高まる中、私たちは「今、何が平和を脅かしていると思いますか?」とインタビューをしました。その中で印象に残ったのは「人々は過去を忘れ、歴史は後世の人々に何かを教えるために使われていない」という回答でした。確かに平和を脅かしているものは核兵器や武器ももちろんですが、歴史から学ばないこと、恐ろしさを知らずに、身勝手な行動をすることでもあり、まさに今の世界であり、とても共感しました。
もし、私が答えるとするならば、「無責任」です。戦争を行うのは、国の指導者であり、戦争が起きてしまうのは、戦争によって失われる尊い命の重みを理解しておらず、自分、自国の思うままに、武力を行使するからだと考え、相手の立場に立って考えられていません。また、核兵器の廃絶に向けて動き出す、と宣言したものの、実際に行動が伴っておらず言葉だけ、という状態になるのも、同じく「無責任」だと思います。平和な世界の実現のために、世界中の人が、危機感をもってこの問題に対策し、真摯に向き合うことが、重要であるとあらためて決心しました。(中3矢沢輝一)
平和記念式典に初めて参列しました。8時15分までは参列者の話し声が聞えていましたが、8時15分になると全員が黙祷をしてピタッと静かになるのは、私たちの心が平和を思う一つの気持ちになるのを感じて安心しました。「今、何が世界平和を脅かしていると思いますか?」という問いに対して、私はウクライナ侵攻や核兵器の存在という答えが多く出てくると思いましたが、無知や政治家など幅広い範囲の回答があり驚きました。質問をしている時に感じたのは、県外の人が多かったということです。日本人を取材していて相手が県外の人である確率が高くて、日本全体の広島・原爆への関心が現状でもある程度存在することを実感しました。インタビューをする8月6日の取材は初めてでしたが、平和記念公園内にいる人の声を直接聞くのは新鮮で貴重な体験でした。(中3川鍋岳)
最も心に残っているのは、茨城から平和について学ぶために広島を訪れた高校生と大学生への取材です。大学生は、平和を脅かしているのは、「人」で、なぜなら武器を作り、使うのも人、今平和かと決めるのも人、また社会も個人個人がどう行動するかできまると答えました。8月6日の悲劇を生んだのも人同士の戦いで、戦争をしない世界に変えられるのは「人」しかいないと感じました。
高校生は、平和を脅かしているのは「環境」で、その人の生活してきた環境によって考え方や感じ方が変わるからだとおっしゃっていました。それを聞いた時、広島に核兵器を落とされたことについて日本は、多くの人々の命を奪った脅威だと考えるのに対して、米国は戦争を終わらせる為に落としたもので、しょうがなかったと考えていることが思い浮かびました。他にも「人の欲」だったり、「戦争」がありました。茨城の人たちとの会話で、同じように平和な世の中にしたいと考える同世代の声が聞けたり、資料館に訪れている人たちに話を聞き、意識が高まり、世界が平和に少し近づけたと感じました。(中3佐藤那帆)
今回初めて式典に出席しました。平和宣言や、平和への誓いなどを初めて生で聞くことが出来、その言葉の重さをすごく感じました。また、大勢の観光客が式典に参加しており、79年前の広島に多くの方が思いをはせていることが嬉しかったです。取材では、色々な国の方に質問をすることができて、とても勉強になりました。最も印象的だったのは、意見が多種多様だったことです。どの意見も納得のいくもので、平和をはばむものはまだまだ多いのだと実感しました。私たちが平和への一歩を踏み出すために何が出来るのか、あらためて自分自身に問いかけるいい機会となりました。今回の取材で学んだことを今後の活動に生かしていきたいです。(中3西谷真衣)
今回の平和記念式典の取材で感じたことは二つあります。一つ目は言葉の重みです。私は毎年平和記念式典をテレビで見ていたんですが、今回直接そこに行って、平和への誓いなどを聞くと、一つ一つの言葉がテレビで聞くよりもとても重みがあって、心に響きました。二つ目はインタビューの中であった『無関心』という言葉に強く共感しました。物事は何かを知ろうとしないと始まらないし、行動を起こせないので、まずは知ろうとすることが大切という点が自分にとってとても勉強になりました。(中3亀居翔成)
今回、平和公園でインタビューして思ったことは、いろいろな人が多様な考えを持っているということです。今回、インタビューした60人程度の回答は同じものがあまりなく、国内外の人たちが一人一人、色々な答えを持っていることがわかりました。そして、この結果は「今、平和を脅かしているもの」がたくさんあるということだと思い、これらを一つずつ解決していけば多くの人の思う平和に行き着くのだと思いました。(中3行友悠葵)
8月6日に取材して感じたことは、平和公園には若い人たちが多かったなと思いました。修学旅行生などが多くいて、インタビューでも年の近い人から意見が聞けたので、とても勉強になりました。(中2小林真衣)
私は平和記念式典で原爆が投下された8時15分の黙とうの時、式典に参加していた人々が原爆で苦しんだ人々に祈っていて、周りがとても静かになったことがとても印象的でした。私は黙とうの時「世界中が平和になりますように」と祈りました。平和記念式典でいろんな方のお話を聞いて、平和になるために私たちが何をすればいいのかを改めて考えさせられました。平和式典を見学した後、声をかけた人は外国人の方が多く、広島から世界へ、平和が発信できているなと思いました。書いてもらったメッセージの中で過去を忘れることがいけないという意見に共感しました。私は過去のつらい出来事を忘れずに過ごすことで平和は訪れると思っています。(中2石井瑛美)
私の考える平和を脅かしているものは、「人の欲」だと思います。インタビューした人の中にも「欲」と答えた人がいましたが、人の欲の怖さは、はかりしれないと思います。人の欲がぶつかり合うことで、喧嘩や戦争が起こったりもすると思うけど、その欲を意見として捉え、話し合うことが大切だと思います。(中2山下綾子)
印象に残ったのは、取材をした人の中で同じ意見をもっている人がいなかったことです。一人一人が平和について考え、思いをもっていることが実感でき、いいことだと思いました。そして、その思いを無駄にしないために取材に積極的に参加していきたいです。(中1小林菫)
原爆の日に、ジュニアライアーとして取材活動をするのは初めてでした。最初は、見知らぬ人、特に外国人に話しかけるのに緊張しましたが、徐々に慣れて積極的に質問することができました。私が特に共感したのは、広島市立大の学生の考えです。武器を買ったり使い回したりしているのは「人」であり、政治も個人の行動ひとつひとつで変わり、平和を決めるのも「人」という具体的な意見をくれました。世の中には、なぜか絶対に悪いことをする人がいます。そういう「人」たちに、どう平和について知ってもらえばいいのか、私は深く考えてしまいました。また、私は大きな気付きがありました。それは、外国人と話す楽しさと、インタビューをする楽しさです。英語で話しかけて、それが通じて、答えてもらった時の達成感も得ました。これらを忘れずに、今後もジュニアライターとして楽しく動いていきたいと思います。(中1岡本龍之介)
今日の取材で心に残ったことは、アメリカから来た女性に今平和を脅かしているものが何かと聞くと、「Government leaders(国のリーダーたち)」と答えたことです。私は取材前、日本人も外国人も多くは「核兵器」や「戦争」といった回答をするのだろうと想像していました。でも、この女性の言葉を聞いて深く共感しました。国同士の争いは、主にそれぞれの国の主導者の欲望、思惑の中で行われるものなので、主導者が平和への思いを示すことで、国同士の争いが減り、平和への一歩になるのではないかと考えます。ただ、その国の主導者を選ぶのは国民です。自分たちの意思、正義のためには他人を傷つけることも致し方ないと考える風潮があったら、それを利用する政治を行う主導者も生まれてくるかもしれません。いかなる場合も、戦争をしない、平和を守るという考えを国民が忘れてはいけないと考えます。(中1森本希承)
取材をして一番感じたことは、何が平和を脅かしているかという質問には色々な考え方があるということです。平和式典には外国から来た人や、歴史を学びに来たという人など多くの人が来られて、対立する考え方の人もいたのでとても勉強になりました。また、インタビューをして、直接お話を聞く大切さも学べました。(中1相馬吏緒)