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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 夏休みの活動 <上> 終戦の日に平和の鐘の集い

核なき世界へ 英語で訴え

 平和記念公園(広島市中区)にある「平和の鐘(かね)」を鳴らして戦争や核兵器のない世界の実現を願う集いが、終戦の日の8月15日にありました。主催(しゅさい)は広島ユネスコ協会。私は広島大付属高の「ユネスコ班」の一員として参加しました。

 広島県内の高校生や平和団体のメンバーたち約80人を前に英語でスピーチしました。被爆者で106歳の三登登美枝(みととみえ)さん=同県府中町=を取材したことを述べ、「原爆で父親を亡くした女性は涙(なみだ)ながらに被爆体験を話してくれました。戦争を終わらせて、愛する人たちを奪(うば)う核兵器の使用を防ごう」と呼びかけました。外国人観光客も足を止めて聴(き)いてくれました。

 原爆犠牲者(げんばくぎせいしゃ)や今も後遺症(こういしょう)に苦しむ人たちを思い、高校生3人で鐘を突き黙(もく)とうしました。平和の鐘には国境のない世界地図が描(えが)かれています。私たちが平和に暮らしていることに感謝し、先人たちの戦争や原爆の記憶(きおく)を後世に伝え続けたいです。(高1山代夏葵)

被爆の実態学ぶピースクラブ

全国の同世代と意見交換

 被爆の実態を学び平和のメッセージを発信する原爆資料館(広島市中区)主催の「中・高校生ピースクラブ」に、県内の中高生約40人と参加しました。東京や沖縄などの自治体から派遣(はけん)された中高生と一緒に活動しました。

 広島原爆の日を挟(はさ)む8月5、7日の平和学習会「ヒロシマ青少年平和の集い」がメイン行事でした。みんなで被爆者の山瀬潤子(やませじゅんこ)さんと八幡照子(やはたてるこ)さんの体験を聴き、私たちも原爆の被害について解説(かいせつ)しました。

 活動で特に印象に残ったのがディスカッションです。自分が住む土地の戦争被害について紹介し、どう後世に伝えていくべきか、意見交換しました。「本や動画などを通して戦争について身近に学び、平和への考えを伝え合うことが大切」と意見をまとめました。

 栃木県の那須中央中3年菅野泰我(たいが)さん(15)は「被爆体験を初めて聞いて、原爆の恐ろしさを知った。周りに広めることから始めたい」と話していました。他県からの参加者と話しながら、原爆や地元の戦争の歴史について同世代と一緒に学ぶ機会をつくっていきたいと思いました。(中3矢沢輝一)

(2024年9月2日朝刊掲載)

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