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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 被爆者と「対話」できるAI装置 受けるべき質問 考える

 高齢(こうれい)化が進む被爆者の証言を後世に残すため、広島市は人工知能(AI)を活用した装置(そうち)の製作を進めています。画面上の被爆者に質問すると疑似(ぎじ)対話ができる仕組みです。私たちは先月、中区の原爆資料館であったワークショップに広島の小中高生12人と参加し、AIが受けるべき質問を考えました。

 最初に山本定男さん(93)=東区=から被爆体験証言を聞きました。山本さんは広島二中(現観音高)2年生だった14歳の時、爆心地から約2・5キロの東練兵場(現東区)で被爆しました。大けがを負って横たわる兵士や本通り商店街でくすぶる遺体(いたい)を見た体験を語ってくれました。

 小中高生は「証言を始めたきっかけは」「日本の戦争加害をどう思うか」などと山本さんに直接質問しました。「平和を脅(おびや)かしているものは何だと思うか」との問いに山本さんは「国の指導者たちが争いを生み出している」と話しました。

 被爆者から直接体験を聞ける機会が減る中、最新の技術で残す取り組みは必要です。広島の悲惨(ひさん)な歴史と教訓を世界の人たちに理解してもらうツールの一つになると思います。(中3亀居翔成)

(2024年12月23日朝刊掲載)

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