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ジュニアライター発信

『ジュニアライター発』 元外交官語る挑戦の大切さ 広島出身 前モルドバ大使片山さん

 広島市佐伯区出身の前駐モルドバ大使、片山芳宏さん(66)=東京=を取材しました。外交官として働いた経験や語学の上達方法、挑戦(ちょうせん)することの大切さを学びました。

 モルドバは、ウクライナとルーマニアにはさまれた国です。片山さんは2020~22年に駐在(ちゅうざい)しました。人口は約260万人。ロシアの侵攻(しんこう)を受けたウクライナから避難(ひなん)してきた市民を数多く受け入れています。

 片山さんは大学時代に外交官試験の本に出合ったのをきっかけに、外交官を目指しました。猛勉強(もうべんきょう)して試験を受け、夢を実現させました。

 米国やウクライナ、ケニアなどに赴任。英語、ルーマニア語、ロシア語を話し、その国の情勢把握(じょうせいはあく)や日本との友好関係づくりに生かしました。外交官に必要な語学の習得は「目的を明確にし、自分に合った方法で勉強を続けることが大切」と強調します。

 片山さんは現在、人道支援(しえん)を行う認定NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」(神石高原町)の上席顧問(こもん)です。外交官として全力を尽(つ)くした日々を「モルドバ大使からの報告」(ザメディアジョン)という本にまとめました。国際交流に関心がある若い人に読んでほしいです。(高1殿重万桜)

(2024年1月29日朝刊掲載)

【ジュニアライターの感想】

 「自分でもよくやったなと思う」

 元外交官の片山芳宏さんが、ご自身の仕事を振り返っておっしゃった、この言葉が取材の中で最も印象に残りました。

 私自身「高校生外交官」として今夏米国に2週間留学したため、外交官という職業に大変興味を持っていました。どんな仕事をするんだろう?どれくらい大変なんだろう?語学力はどれくらい必要なんだろう? うかがいたいことがたくさんあり、ワクワクした気持ちで取材に臨みました。

 片山さんからお話をお聞きして分かったことは、大きく分けて二つあります。

 一つ目は、夢を追うのに遅すぎることはないということです。片山さんは大学在学中、偶然見つけた本をきっかけに、外交官を目指すようになったそうです。外交官を目指すライバルの多くは、早い段階から目標を定め、試験合格に必要な勉強を始めていますが、その状況を悲観せず、様々な時間の合間を縫って勉強に励んだ片山さんは外務省試験に1回で合格したそうです。この話を聞いて、スタートで出遅れたからと、物事を諦める必要はないのだと感じました。

 二つ目は、外交官という仕事はハードだけど、とてもカッコいいということです。何ヶ国もの国に滞在し、日本との関係や情勢について話すため現地の首脳たちと会食をしたり、日本政府の通訳を務めたり、難民キャンプを訪れたり、いずれも手を抜くことが許されない仕事内容です。それでもマルチ外交などの交渉が上手くいった時には、国の役に立っている気がしてやりがいがあるとおっしゃっていました。さらに、そのハードな仕事を振り返り「よくやったと思う」と片山さん自身がおっしゃいました。自分の仕事にプライドを持ってやり遂げ、後から振り返った時に充実していたと思える人生って、カッコいいなと心底感じました。

 言葉では表せないたくさんの苦労があったとは思いますが、国同士の友好関係のために働く外交官はヒーローに近い存在だと思います。そんなヒーローである片山さんからのお話をうかがえて、とても有意義な時間を過ごすことができました。(高2小林芽衣)

 片山さんは仕事で必要な現地の言語を学んだり、ダンスにも取り組んだりと様々なことに挑戦していることがすごいと思いました。片山さんは、挑戦して失敗しても決して無駄ではなく、自分自身が納得する気持ちを持つことが大切だと話していました。そして、外交官として活躍された中で大変なことや大きな課題も多くあったそうですが、しっかり向き合ったからこそ成長できたと話していました。私もいろいろなことに挑戦し、難しいことや大変なことがあっても負けずに、自分の将来につながると考えて乗り越え、成長したいと思います。(高1相馬吏子)

 駐モルドバ大使になった後も毎日の外国語習得を欠かさず、現地でさまざまな人との交流を欠かさなかったことを聞き、まさに外交官の鏡だと感じました。片山さんの「チャレンジし続けて夢を追求することが大事」という言葉を意識しながら日々頑張りたいです。(高1谷村咲蕾)

 外交官として活躍された片山芳宏さんは、日本の国益になることを心がけて、職務に当たっていたそうです。日本の代表として、現地の首脳たちと会食をしたり、日本政府からの支援を進めたりするには、多くの知識や経験が必要だと思いました。また、片山さんは、友好的になりたいという姿勢を示すため、赴任先の言語は必ず習得するようにしていたと言います。外交官はなるのも大変な職業ですが、なってからの努力が一番大切なのだと実感しました。(高1森美涼)

 今回の取材で、片山さんの「自分が無理だと思ったら何にもなれない」という言葉が一番印象に残っています。片山さんは、葛藤を乗り越えて外交官への道を進み、外交官になった後も、日本の国益を一番に考えて、語学の勉強などをされていました。その姿に、私は感銘を受けました。何事にもチャレンジして結果を残すことは簡単なことではないですが、精一杯努力し続けることができるよう、私も頑張りたいです。(中3尾関夏彩)

 私は外交官という仕事に興味がありましたが、もっと堅苦しい仕事だと思っていました。しかし、片山さんの話をうかがう中で、人との繋がりやコミュニケーションを大切にして、自国と他国の架け橋になる、人情にあふれた仕事なんだと知りました。

 私が片山さんのお話を聞いて一番驚いたことは、片山さんが幅広く色々なものに挑戦していることです。英語、ルーマニア語、ロシア語の3言語を習得し、たくさんの人をホームパーティーに招いて、ダンスを特訓して大会に出て、外交官としての仕事を終えたNGOで紛争地域の支援をして…、と、いつまでも挑戦を続ける姿は、すごいなと思いました。

 片山さんは、「たとえ望んだ結果にならなくても、それまでの努力と成長は残るのだから、夢を追いかけるべきだよ」とおっしゃっていました。片山さんの熱い気持ちの持ち方を学び、私も今後は少しでもやりたいと思ったことには、全力で挑戦してみようと思いました。(中3川本芽花)

 片山さんが大使を務めたモルドバや外交官について、色々なことを教えていただきました。片山さんは外交官を退職後、ピースウィンズ・ジャパンで働かれているそうです。人々を助けるため、様々な行動を続ける姿に感銘を受けました。中でも最も印象に残ったのは、夢を追い求めるための努力は自分の糧となって残るので、色々なことにチャレンジしてほしい、というメッセージでした。私は昨年4月にカナダとフランスの在日大使館を取材したことを機に、外交官に興味を持ったため、まずは英語を頑張るなど、努力を積み重ねたいです。(中3山代夏葵)

 取材を通して、モルドバと日本の関係がとても良いことが分かりました。片山さんは現地の首脳たちに会って、日本の企業からのお願いを伝えたり、日本との友好関係を築いたりしたそうです。外交官としての仕事をこなすため、英語やルーマニア語、ロシア語も勉強もされたそうです。とてもすごいと思いました。取材後、私も英語の勉強を頑張りたいと思いました。自分に合った勉強方法を見つけ、書く、声に出すなどして毎日続けたいです。そして、自分が抱いた夢を追いかけたいです。(中1石井瑛美)

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