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核なき世界への鍵

[核なき世界への鍵] 「威嚇」 禁止事項に追加 条約交渉会議 議長 明示方針を表明

 米ニューヨークの国連本部で開かれている「核兵器禁止条約」制定に向けた交渉会議で、ホワイト議長(コスタリカ)は30日(日本時間1日)、禁止事項に核兵器の使用をちらつかせる「威嚇」を追加で明示する考えを示した。3日にも最終案を示して議論を詰め、会期末の7日の条約成案の採択を目指す。国連総会が始まる9月に国連本部で全ての国の署名を開放する方向で検討している。(ニューヨーク発 水川恭輔)

 分野別の四つの作業部会が非公開で協議した後、概要を全体会合で報告し、修正案を公表している。ホワイト議長は各部会の修正案を土台に最終案を示す方針で「(部会の議論で)非常に前進した。7日の条約採択は確かだ」と強調した。

 部会の修正案で、禁止事項に加わった「使用の威嚇」は、核抑止力に頼る安全保障の否定を強めるため、各国から明示を求める意見が相次いでいた。ほかに「実験」の禁止について、「爆発を伴う」の条件を削除。臨界前核実験を明確に禁じるよう求める一部の国の声に応えた形だ。

 発効条件などに関わる部会で議事進行を務めたタイの政府代表は署名開放日について「9月19日に始まる国連総会のハイレベル会合に合わせることに広い合意を得た」と報告。ホワイト議長に検討を求めた。

(2017年7月2日朝刊掲載)

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