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核なき世界への鍵

[核なき世界への鍵] 核禁止「先行条約」支持 交渉会議 平和首長会議の事務総長

 米ニューヨークの国連本部で開かれている「核兵器禁止条約」制定交渉会議は3日目の29日、NGO(非政府組織)の発言枠で平和首長会議(会長・松井一実広島市長)の小溝泰義事務総長がスピーチをした。「核兵器廃絶へ実効性のあるものにしないといけない」と述べ、核保有国や「核の傘」の国を巻き込む仕組みを提案した。

 小溝氏は、参加各国やNGOの間で有力になっている、使用、保有、開発などあらゆる行為を禁じる「禁止先行条約」を首長会議として「支持する」と表明した。その上で、条約成立後も非加盟の国を交えて協議を続ける仕組みを設けることなどを提案。保有国など多くの国の参加を促すために必要だと訴えた。

 会場には、首長会議の米国内のリーダー都市であるアイオワ州デモイン市のカウニー市長も訪れた。

 この日は、条約で定める禁止事項を中心に各国の政府代表が議論。「禁止先行条約」の主張が目立った。特に使用に関しては、被害の非人道性を踏まえ、いかなる状況でも禁じる規定の明文化を求める意見がスリランカなど各国から相次いだ。 (ニューヨーク発 水川恭輔)

(2017年3月31日朝刊掲載)

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