×

ニュース

被爆建物の旧理学部1号館 調査費700万円を計上 広島市が補正案

 広島市は11日、被爆建物である広島大本部跡地(中区東千田町)の旧理学部1号館の劣化状況を調査する費用や、原爆投下後に降った「黒い雨」の被害者支援を援護対象地域外の人に広げる事業費を盛り込んだ2013年度補正予算案を発表した。18日開会の市議会定例会に提出する。

 旧理学部1号館の調査には700万円を計上。4月、国立大学財務・経営センターから無償譲渡された。市は保存、活用の参考とするためコンクリートを約20カ所で抜き取って強度を測定。内部の柱など構造も調べる。

 黒い雨被害者の新たな相談・支援事業費に3300万円を盛り込んだ。国の援護対象地域外で雨を浴びて体調不良を訴える住民向けで対象は約1600人を見込む。健康診断とがん検診費用の自己負担分を全額助成する。

 さらに相談に応じる専任の保健師1人が援護課に常駐するほか、月1回程度、保健師と放射線医療の専門医が地域を巡回する。

 「文化芸術」「緑地広場」を軸とする旧市民球場跡地(中区)の活用に向けた調査費なども計上した。

 市は職員の退職金を15年4月までに段階的に約16%減らす条例改正案を提出する。国家公務員の引き下げに同調した動きで、2億円を減額補正する。一般会計補正予算案は差し引きで総額3100万円の増額となる。(岡田浩平)

(2013年6月12日朝刊掲載)

年別アーカイブ