×

ニュース

オンラインで反核訴え 原水禁・協大会 アピール行動も

 原水禁国民会議などと日本原水協などの二つの原水爆禁止世界大会は6日、それぞれオンラインで会合を開いた。新型コロナウイルスの影響で広島市での集会開催を断念。参加者は核兵器廃絶の訴えを粘り強く続けようと呼び掛けて決意を新たにした。同市内では県組織の独自のアピール行動もあった。

 原水禁などの広島大会は事前に収録した映像を動画投稿サイトで配信した。5歳の時に長崎で被爆した原水禁の川野浩一議長(80)は「世界の核情勢は極めて危険な状況。わが国こそ世界の核廃絶のリーダーになるべきだ」と強調。「二度と悲劇が繰り返されないよう行動しよう」とするアピール文を採択して締めくくった。

 広島県原水禁は中区の原爆ドームを人の輪で囲むアピール行動をした。約200人が「核兵器廃絶!」と書かれた横断幕などを持ち、一定の距離を保ちながらドームを取り巻いた。原水禁の藤本泰成副議長(65)は「原爆ドームを囲んだ絆を力にし、平和のために頑張っていきたい」と力を込めた。

 原水協などの広島デーはビデオ会議システムで広島、東京、欧米などを結んだ。2歳の時に被爆した県被団協(佐久間邦彦理事長)の山田寿美子副理事長(77)は中区の事務所から参加し「今も被爆の影響に不安を抱いて生活している。世界の皆さんと核兵器廃絶へ行動したい」と語った。

 県内20カ所で視聴会が開かれた。東区の会場には50人が集まり、県原水協の高橋信雄代表理事(81)は「初のオンライン開催は難しさもあったが、世界の人々に共感してもらえる機会になった」と話した。(河野揚、浜村満大、口元惇矢)

(2020年8月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ