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修学旅行シーズン 駐車順番待ち 平和公園バス行列常態化

 修学旅行シーズンに広島市中区の平和記念公園周辺の道路が、児童生徒を待つ大型バスで混雑する光景が常態化している。12日午前も駐車スペースに止められないバスが公園北側の相生通りにあふれ、車線をふさいだ。バス運転手や観光関係者は、市に対策を求めている。

 この日午前11時ごろは、駐車の順番を待つバスが公園外の相生通りに停車。公園内に入るために走ってきたバスも渋滞で隣車線に止まり、片側3車線のうち2車線をふさぐ場面もあった。

 駐車スペースは、原爆資料館南側と、相生橋から公園に入る市道に計66台分ある。バスは児童生徒が公園内を見学する2~3時間程度駐車する。

 公園から約1キロ北東の中央公園には、60台分の駐車場がある。市は旅行会社やバス会社に利用を呼び掛けているが、この時期も満車になることはない。平和公園内の市道の駐車スペースで待機していた宇部市交通局のバス運転手前田徹さん(39)は「子どもたちが長い距離を歩くのは大変だ」と話す。

 バスの混雑は、修学旅行生が増える春と秋に発生する。ことし5月に原爆資料館を訪れた修学旅行生は7万5411人で、前年同期を3675人上回った。東日本大震災の影響で、東北地方から広島に訪問先を変えた学校がリピーターとなりつつあり、今後もバスが増える見込みだ。

 広島県観光連盟の石本秀紀専務理事(63)は「近くの旧市民球場跡地などを暫定的に利用してほしい」と市に提案する。市観光政策部は「臨時の駐車スペースを探しているが、調整に時間がかかっている。当面、修学旅行の誘致活動の際などに中央公園の利用を呼び掛けたい」としている。(桑田勇樹、野平慧一、新山京子)

(2013年6月13日朝刊掲載)

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