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平和の願い 筆に込め 広島 死没者名簿の記帳開始

 広島市は12日、原爆死没者名簿の記帳を市役所で始めた。昨年8月6日の原爆の日以降の1年間に亡くなったり、死亡が確認されたりした人を書き加え、8月6日に平和記念公園(中区)である平和記念式典で、原爆慰霊碑に納める。

 記帳を担当するのは、ともに被爆者で元市職員の池亀和子さん(71)=南区=と中本信子さん(70)=同。2人は、市役所の会議室で手を合わせて死没者の冥福を祈った後、名前と死亡年月日、年齢を筆で書き込んだ。市によると、記帳されるのは12日現在で3234人。

 池亀さんが記帳を担当するのは24回目。「犠牲者の冥福を祈りながら書きたい。若い人には高齢化する被爆者に代わり、原爆の悲惨さを世界に発信してほしい」と話した。

 市によると昨年8月6日時点の記載者数は28万959人で、名簿は計102冊。長崎で被爆し、遺族の希望で納められた9人の名簿も別に1冊ある。

 市は8月5日まで遺族からの記帳申請を受け付ける。市原爆被害対策部調査課Tel082(504)2191。(田中美千子)

(2013年6月13日朝刊掲載)

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