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苦しみ 自分の言葉で こども代表が「誓い」や「鐘」

 広島市内の小学6年生3人が、平和記念式典に「こども代表」として参加した。1発の原爆により日常が一瞬で奪われた75年前に思いをはせ、核兵器のない、平和な未来を築くとの「平和への誓い」を発信。原爆犠牲者への祈りをささげる鐘を鳴らした。

 誓いは、矢野南小の大森駿佑君(12)=安芸区=と安北小の長倉菜摘さん(12)=安佐南区=が読み上げた。新型コロナウイルス禍で「日常が決して当たり前ではないと気付かされた」とした上で「75年前、一緒に笑い、大切な人と過ごす日常が奪われた」と強調。核兵器廃絶に必要なのは人間の意思だと訴えた。

 小3の時に松山市から転校してきた大森君は式典後、同市の友人から連絡があったという。「全国や海外の人に自分たちの気持ちは伝わったと思う」。長倉さんは「当時の苦しみやつらさを想像し、自分の言葉で伝えられるようになりたい」と誓った。

 畑賀小の竹宮未菜海さん(11)=安芸区=は、遺族代表の松木俊伸さん(46)=南区=と一緒に黙とうの1分間、平和の鐘を突いた。今年5月、勤労奉仕中に被爆した曽祖母の体験を、祖母たちから聞いた。「曽祖母と同じような怖い思いをする人が二度と現れないでほしい。世界中に平和の輪が広がりますようにとの願いを込めて鳴らした」と語った。(赤江裕紀、木原由維)

(2020年8月7日朝刊掲載)

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