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灯籠流し 思いは同じ 17個 しめやかに 原爆ドーム対岸

 原爆ドーム(広島市中区)対岸の元安川親水テラスで6日夕、犠牲者の追悼と平和への願いを込めた「流灯式」があった。新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、市民参加で約7千個の灯籠を流す恒例の「とうろう流し」は中止に。今年は3密防止のため、実行委員会のメンバーとボランティアが灯籠17個をしめやかに流した。

 「核兵器のない世界を」「全ての人々が平和で幸福でありますように」。午後6時半、地元商店主たちでつくる実行委の約20人が、メッセージを書いた赤や青の灯籠を川面にそっと浮かべた。少し離れた橋の上などから見守ったり、写真に収めたりする人もいた。

 被爆死した祖父母と13年前に亡くなった被爆者の父を悼んだ広島本通商店街振興組合の高田諭副理事長(56)=中区=は「節目の年に市民の参加がないのは残念。ささやかだが精いっぱいの鎮魂の思いを込めた」と手を合わせた。(栾暁雨)

(2020年8月7日朝刊掲載)

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