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禎子さんの願い 中学生が紙芝居 府中2校の6人 8日上演

 府中町の府中中と府中緑ケ丘中の生徒が8日、被爆して亡くなった佐々木禎子さんの生涯などを描いた紙芝居を府中中で上演する。両校の生徒たちは昨年、8月6日に平和記念公園(広島市中区)にある原爆の子の像のそばで演じたが、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、今年は地元で披露して平和の大切さを訴える。(石井雄一)

 紙芝居を上演するのは、府中中の3年生有志3人と、府中緑ケ丘中の演劇部員の2、3年生3人の計6人。禎子さんが被爆して12歳で亡くなるまでの人生や「原爆の子の像」建立の経緯を表した紙芝居作品「原爆の子さだ子の願い」(1994年、汐文社)などを披露する。

 両校の生徒は、本番に向け7~8月の計3回、府中緑ケ丘中で合同練習を重ねてきた。「同世代の禎子さんの明るく、前向きに生きようとした姿を伝えたい」と府中中3年の渡辺真子さん(14)は力を込める。

 紙芝居はもともと、同町の紙芝居活動家中村由利江さん(69)が2000年に同公園内で上演を始めた。その後、「禎子さんと同世代の若者にも語ってほしい」と中村さんが呼び掛け、11年から府中緑ケ丘中、昨年からは府中中の生徒が参加するようになった。

 今年は、新型コロナの感染拡大で部活動が制限されるなどしたため、同公園での上演活動は中止。ただ、両校は「活動をつなぐことが大切」と府中中で上演する形にした。6人のほか同校の生徒有志約10人が運営を手伝う。

 府中緑ケ丘中2年の小沢大樹さん(13)は「今年は去年と場所が違うが、平和への思いは変わらない。紙芝居を通して、地域の人に平和な日常のありがたさが伝わればうれしい」と話す。

 上演は、午前10時、10時半、11時、11時半の計4回で無料。府中中の多目的ホールである。

(2020年8月8日朝刊掲載)

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