×

ニュース

「原爆の絵」東京に 基町高生が描く

 基町高(広島市中区)の生徒が被爆者の証言を基に描いた「原爆の絵」のパネル展が7日、東京都中央区銀座のギャラリー・アートグラフで始まった。井伏鱒二の小説「黒い雨」の継承事業に取り組む実行委員会(広島県神石高原町)が企画した。13日まで。

 亡くなった赤ん坊を背負う母親、塀の下敷きになって助けを求める女性、防火用水に漬かったまま焼かれた人たちを生々しく描いた油絵のパネル22点を並べた。制作者の生徒と、証言をした被爆者それぞれのコメントを添えている。

 同高の創造表現コースの生徒は2007年度から、被爆者から体験を聞いて原爆の絵を制作している。実行委の大越貴之事務局長(48)=東京都杉並区=が17年に中区であった展示会を訪れて感動し、平和活動の一環として昨年から東京でパネル展を始めた。

 大越さんは「今年は被爆75年の節目であり、首都圏の人たちに原爆の悲惨さをもっと知ってほしい」と願う。入場料は税込み500円。小学生以下は無料。(河野揚)

(2020年8月8日朝刊掲載)

年別アーカイブ