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元米兵が沖縄から持ち帰ったアルバム 所有者判明 陸自山口駐屯地で引き渡し

 第2次大戦末期に元米兵が沖縄県から持ち帰り、山口市の陸上自衛隊山口駐屯地で所有者捜しのため展示されていた写真アルバム3冊のうち2冊が12日、亡くなった所有者の同窓会関係者に寄託された。

 3冊は1945年、沖縄県南部に侵攻した元米兵ががれきの中で見つけ、米国に持ち帰った。元米兵は昨年、所有者か遺族に返還したいと希望。うち1冊に、山口市に駐屯した旧日本陸軍歩兵42連隊の訓練が収められていたため、昨年12月、同駐屯地に届けられた。

 残る2冊の表紙に「義中」のマークがあり写真裏に「宇多」の文字があることから、現在の北朝鮮にあった旧制新義州中の卒業生の宇多治蔵さんのものと判明。一冊は卒業アルバム、もう一冊は家族を写したものだった。

 宇多さんは1948年に死去。駐屯地は3~4月にアルバムを展示し遺族の情報を募ったが成果がなく、新義州中同窓会「義中会」への寄託を決めた。

 同会の岸恒雄会長(87)=東京都練馬区=らが12日、駐屯地を訪れ塚本忠2等陸佐から2冊を受領。岸会長は「何とか遺族を見つけたい」と話していた。

 同駐屯地は引き続き宇多さんの遺族の情報を募る。同駐屯地Tel083(922)2281。(三浦充博)

(2013年6月14日朝刊掲載)

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