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福山空襲75年 非戦誓う 慰霊式に120人参列

 福山空襲から75年を迎えた8日、福山市霞町の中央公園で「原爆・福山戦災死没者慰霊式」があった。参列者は非戦を誓い、恒久平和の思いを新たにした。新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を縮小した。

 遺族たち計約120人が参列。全員で黙とうし、順に花を手向けた。慰霊碑前には市民たちが作った約6万羽の折り鶴がささげられた。枝広直幹市長は「平和の尊さを次世代に伝えることが私たちの責務」と述べた。

 市人権平和資料館の連続講座「ふくやまピース・ラボ」メンバーの高校生と大学生計3人が「一人一人の声、行動が平和を生む。共に声を上げましょう」と訴えた。

 新型コロナ対策のため、検温や手指の消毒を実施。招待者も少なくし参列者は例年の半数未満に。福山空襲の遺族代表、森近長一さん(85)=同町=は「規模縮小は仕方ない。式に臨み、戦争は絶対にいけないという思いを新たにすることが最も大切」と語った。

 原水爆禁止運動福山推進連盟が主催した。空襲は福山にとって最大の戦災で、市街地の8割が焼失。355人が犠牲となった。(菅田直人)

(2020年8月9日朝刊掲載)

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