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ヒロシマの朝 吹奏楽で表現 鈴峯女子中・高 中区で26日初演

■記者 田中美千子

 鈴峯女子中・高校(広島市西区)吹奏楽部が、被爆地ヒロシマをテーマにした全国でも珍しい吹奏楽曲「広島の朝の歌」を作った。26日午後4時から、中区の広島厚生年金会館で開く定期演奏会で初演する。

 卒業生が師事していた洗足学園音楽大(川崎市)教授で作曲家の伊藤康英さん(48)が作曲した。演奏時間は約7分。美しい旋律と、不協和音が響く激しい曲調を交互に奏で、原爆投下の朝を表す。

 顧問の宇根岡俊二教諭(48)が「県外公演で被爆地をアピールする楽曲がほしい」と曲づくりを提案した。被爆体験の風化を食い止める目的もあるという。

 伊藤さんは浜松市出身。「当事者でないと悲惨さは描写しきれない。復興した姿をイメージし、祈りをたたえた美しい曲を目指した」と振り返る。

 部員65人は今月初旬から、複雑なリズムと音階の克服を目指し練習してきた。17日、同校で指導した伊藤さんは「難曲を良い演奏にしてくれている」と評価していた。

 3年の大上免(だいじょうめん)瑞姫(みずき)部長(17)は「表現をさらに磨き、戦争の悲惨さや平和への願いをしっかり伝える」と張り切っている。定演では他の14曲も披露する。入場料800円。小学生以下は無料。

(2009年4月23日朝刊掲載)

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