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平和を誓い戦没者追悼 三次で式典 屋外で初 遺族ら20人献花

 三次市主催の戦没者追悼式が18日、同市三次町の尾関山公園であった。新型コロナウイルスの影響から2004年の合併後、初めて屋外で開催し、参列者も遺族会役員を中心とした約20人に絞り込んだ。

 例年の市民ホールきりり(三次町)ではなく、同公園にある戦没者を悼む忠魂碑の前で開催した。福岡誠志市長が「新型コロナの感染拡大で、当たり前の日常や命の大切さについて考えさせられた」とあいさつ。市遺族会連合会の亀井源吉会長は「二度とつらい思いをする人が出ないよう、平和を維持する努力を続ける」と誓った。

 市菊生産組合が献花用の小菊を無償提供した。献花台に花を手向けた参列者は、碑に手を合わせたり、頭を下げたりして、戦争犠牲者を悼んだ。

 「菊兵団」と通称された陸軍第18師団(福岡県久留米市)に所属していた父親が1944年4月にミャンマーで戦死した酒井敬忠さん(78)=東酒屋町=は「戦争を知らない世代が過去を思い返し、平和を誓う機会を続けることは意義深い」と話していた。

 新型コロナの影響で、安芸高田市では、戦没者追悼式を例年主催する市遺族連合会が今年の式典の中止を決めたほか、庄原市は市主催の追悼式の8月開催を見送り、秋の開催を検討している。(石川昌義)

(2020年8月19日朝刊掲載)

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