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脱原発で対立 平和大会縮小 広島で8月5日 連合が単独開催

 連合、原水禁国民会議、核禁会議の3団体主催で毎年8月に開いていた平和ヒロシマ大会が、脱原発をめぐる路線の対立により、規模を大幅に縮小することが16日、分かった。ことしは連合の単独主催となり、開催日と会場を変更。参加者数は昨年の約6500人(主催者発表)から約1800人に減る見込みだ。

 開催日は従来の8月4日から同5日に替え、会場も広島市中区の広島グリーンアリーナから上野学園ホールに移す。原水禁と核禁会議は共催団体になる。海外の労働者団体の代表を招き、被爆者の訴えを聞くなどの内容は踏襲する。

 大会は、被爆60年の2005年から3団体が主催。「核兵器廃絶」と「被爆者援護」を掲げ、脱原発を訴える原水禁と、原子力の平和利用を進める核禁会議が、路線の違いを乗り越えて共闘関係を築いてきた。

 しかし、11年の福島第1原発事故を機に、原発問題を議論に取り込むかどうかで、原水禁と核禁会議のスタンスの違いが鮮明になった。昨年は大会に先立ち、それぞれが独自集会を開くなど関係は急速に冷え込んでいた。

 このため、連合は3団体主催で続けるのは困難と判断。ことしは広島市や平和市長会議にも共催や後援を打診し、市民の参加を広く呼び掛ける集会に模様替えする。一方で、開催する5日は原水禁系の原水爆禁止世界大会の会期中で、大規模な動員は望めないとして会場を変更した。

 連合の水谷雄二副事務局長は「3団体で主催できないのは残念だが、これを契機に市民と広く連携した集会を目指したい」と説明。市民の参加を促す試みとして、5日夜は中区の平和記念公園で9年ぶりに「ピースキャンドル」を実施する予定にしている。(藤村潤平)

(2013年6月17日朝刊掲載)

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