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「差別助長」 批判の声 NHK「ひろしまタイムライン」

 実在した市民の日記を基に、本人になりきって75年前の日々をツイッター投稿するNHK広島放送局(広島市中区)の企画「1945ひろしまタイムライン」で、朝鮮半島出身者への差別をあおる記述があったとして批判が広がっている。

 企画では、市民3人をモデルにしたアカウントを運用。参加者11人が日記などを基に、原爆投下に至る日常や被爆後の混乱を連日投稿している。

 問題となったのはこのうち、男子中学生との設定のアカウントによる20日の投稿。列車内で「戦勝国となった朝鮮人の群衆」が暴力的に振る舞ったとの内容だった。ツイッターには「当時の差別感情を再生産する」との批判や、日本の植民地支配など背景の「注釈が必要」との指摘がある。

 広島市立大の金栄鎬(キムヨンホ)教授(政治学・国際関係)は「実際の経験だとしても、そこだけ抜き出すのでなく報道機関として歴史認識を併せて示すべきだ」とする。

 同局広報事業部は「若い世代に当時の混乱ぶりを含めて実感してもらう趣旨で、差別を助長する意図はない」としている。(明知隼二、新山京子)

(2020年8月23日朝刊掲載)

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