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被爆線量見直し進む 放影研 8万6000人分 来月公表

 放射線影響研究所(放影研、広島市南区)は19日、1950年代から追跡調査してきた被爆者約8万6千人の被爆線量を見直す作業を進めていることを明らかにした。7月に結果を公表する。

 放影研は爆心地からの距離や、放射線を遮る建物の有無などを計算式に当てはめ、個人が放射線を浴びた量を推定している。

 19日の評議員会後、記者会見した大久保利晃理事長は「前身の原爆傷害調査委員会(ABCC)時代に始まった調査。当初、作業に使われた地図が不正確だったことも分かり、被爆地点などのデータを見直した」と説明した。2008年からの作業を終える見通しが立った、という。

 追跡調査した被爆者の死亡率、発がん率などは、放射線のリスク評価にも反映されている。大久保理事長は「データの誤差がリスク評価に影響していないか解析し、結果を報告する」と述べた。

 この日、放影研の評議員会は2日間の日程を終え閉幕した。本年度の事業計画を決め、任期満了を迎える大久保理事長を再選した。新たな任期は、2015年の評議員会までの2年間。(田中美千子)

(2013年6月20日朝刊掲載)

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