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大和の主砲削った旋盤 呉市に寄付 展示検討へ

 呉市は、戦艦大和の主砲を削り出したとされる大型の旋盤の寄付を受け、宝町の大和ミュージアムでの展示の検討を始める。31日に発表した一般会計補正予算案に、輸送費や調査費として1億5千万円を盛り込んだ。

 旋盤は金属の塊を削って成形する機械で、今回寄付された大型機は、一部が分解されているものの長さ約17メートル、重さ約210トンに及ぶ。1938年にドイツの機械メーカーのワグナー社から旧日本海軍が輸入し、呉海軍工廠(こうしょう)に設置。世界最大級だった口径46センチの大和の主砲の外側を削り出したとされる。

 戦後に民間の会社に払い下げられ、96年から2013年までは、きしろ(兵庫県明石市)の播磨工場で船のクランクシャフトなどを削るのに使われた。現在は保管されているだけの状態で、設備更新に伴い同社が寄付を申し出た。

 市は05年の開館前に寄付を打診していたこともあり、歓迎。11年に広島大から寄付を受けていた、金属の強度などを計測する大型の強度試験機と合わせた展示を検討する。今後、地盤調査による場所の選定などを進める。同ミュージアム学芸課は「実物を見て、スケールの大きさを感じてもらえる展示を考えたい」としている。(池本泰尚)

(2020年9月1日朝刊掲載)

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