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中韓学生向けに奨学金 広島市立大 院の平和学研究科対象 「歴史」対立越えた拠点へ

 広島市立大(広島市安佐南区)は、大学院平和学研究科で学ぶ韓国人と中国人のための奨学金制度をそれぞれ新設する。歴史認識を巡る対立を越えた平和研究の拠点を目指す。

 韓国人向けは「姜仁秀(カン・インス)奨学金(仮称)」。八千代病院(安芸高田市)の姜理事長からの寄付金を充て、来年度の入学生2人に2年間、毎月10万円を支給する予定。在日韓国人と中国の朝鮮族も応募できる。

 中国人向けは、遼寧大の学生を対象にする。同大がある瀋陽市(旧奉天)は、満州事変の発端となった柳条湖事件の地。広島と結び、日中友好の担い手を育てる狙いという。企業関係者が中区に設立した公益財団法人が資金を提供する。来年度から25年度まで毎年1人を選び、毎月10万円を2年間支給する計画だ。

 平和学研究科の修士課程は昨年度に新設され、9人が在籍。来年度は博士後期課程も開く。市立大広島平和研究所の大芝亮所長は「新型コロナの影響を見極めながら留学生を受け入れ、多様な研究科を目指す」と話している。(桑島美帆)

(2020年9月11日朝刊掲載)

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